不信に繋がるかもしれない“表記ゆれ”

ビジネス部門 ライティング術ライターの吉田和歌子(wacoxxx)です。

皆さんにお聞きします。
間違ってはいないけれど、無意識のうちに「ん?」と違和感を感じる文章に出会ったことはありませんか?ひょっとしたら、違和感にすら気付いていないかもしれません。

その原因の1つとして考えられるのが“表記ゆれ(揺れ)”。表記ゆれとは、同じ単語を使うときに複数の表記が混在すること。例えば、「ユーザー」と「ユーザ」、「1」と「一」、「振り込み」と「振込」といった、同音の言葉に対して2通り以上の書き方が混在することを“表記ゆれ”と言います。その多くは意図的ではないため、ほとんどはケアレスミスと認識されて読み流されてしまいます。

けれど一方で、人は「一貫性がある=信頼できる」という認識もします。読み手本人も気付かないうちに小さな不信が起こってしまうなら、ばらつきは統一したほうが良いと言えるでしょう。

また、「あえて違う表記にしているのかな?」と深読みする人も少なからずいます。その瞬間から読者の意識が文脈から離れ、作者の意図が伝わりづらくなってしまうのはもったいない、と個人的に思います。

陥りがちな表記ゆれ6パターンを例文とともにご紹介しますので、参考にしてみてください。

  1. 英語・日本語の表記ゆれ
    外国の固有名詞を書く際に、英語表記と日本語表記が混在している。
    <例文>
    Facebookは、世界最大の実名登録制SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。世界と繋がりたいあなたにフェイスブックはおすすめです。

  2. カタカナ(外来語)の表記ゆれ
    外来語をカタカナで書く際に、表記がゆれてしまう。
    <例文>
    彼女は優秀なマーケターです。新進気鋭のマーケッター集団でも群を抜いて実力があります。

  3. 漢字・ひらがなの表記ゆれ
    単語を表記する際に、漢字とひらがなが混在している。
    <例文>
    会場の御案内はこちらです。ご不明点がある場合は、担当者がご案内します。

  4. 数字・漢数字の表記ゆれ
    数字を書く際に、アラビア数字と漢数字が混在している。原則として、縦書きでは漢数字かアラビア数字、横書きではアラビア数字を使用する。
    <例文>
    1番目の丸山さんは勝った。しかし二番目の山田さんは惜しくも敗れた。

  5. 全角・半角の表記ゆれ
    数字や記号を書く際に、全角と半角が混在している。
    <例文>
    7ページ目を開いてください。そのページの2行目から読んでください。

  6. 送り仮名の表記ゆれ
    送り仮名を付ける際に、ひらがな部分の表記がゆれる場合がある。送り仮名の付け方のルールは少し複雑で、厳密には使い分けが必要。
    <例文>
    どなたでもWebからお申し込みいただけます。申込みが完了したら、メールで受付完了をご連絡します。
    参考:文化庁「送り仮名の付け方」(https://www.bunka.go.jp/…/joho/kakuki/10/tosin01/02.html)

些細なことだからこそ、少し意識するだけで読み手の受け取り方が異なったり、文章の意味を正しく理解してもらえない事態を防ぐことができます。参考にしていただければ幸いです。

投稿者プロフィール

吉田和歌子
吉田和歌子個人起業家 発信力サポーター
■□■□■□■□■□■□──
“想い”を“言葉”に
その“言葉”が未来をつくる
*****************************
14年間の広告・編集業界を経て2018年にフリーに。
現役ライターとして活動中。
1,000人以上を取材してきた【取材力】で魅力を120%引き出し、ありありとイメージさせる【文章力】で心を揺さぶるのが得意。
10,000人以上の添削&修正してきた【ライティングスキル】を生かし、
個人起業家の《発信力アップ》をサポートするライティング講座を開講。
プライベートでは、元バックパッカーのマイペース夫とおじいちゃんのような5歳男児と悲喜こもごもを共にしている。
パラレルキャリア専門エール通信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です