インタビュー企画<第4回>_山崎明美さん

第4回目のインタビューに応えてくださったのは、ヘルスケア部門 更年期担当の山崎 明美さん。生理周期や妊娠・出産と、男性に比べて変化の多い女性の身体。コラム室でも「自分自身の身体と上手く付き合い、将来迎える更年期について正しい知識を身に付けたい女性も多いのでは」という意見があがり、明美さんに執筆を依頼。現在は”パーソナル ヘルス コンシェルジュ”として幅広く「こころとからだの健康」サポートに取り組んでいらっしゃる明美さんは、これまでどのようなキャリアを歩んで来られたのでしょうか?ご本人にお話しを伺ってみました。

−これまでの経歴について教えてください。

看護学校・保健師学校を卒業後、都内の大学附属病院の循環器科で4年間看護師として勤めました。その後縁があってイギリスに渡り、1年間公衆衛生分野の現場研修。帰国後は保健師として働き始めました。

企業の健康保険組合や都内保健所にて勤務する傍ら、「考える」ということについて学びたいと大学・大学院へ進学。通学しながら、健康関連企業で健康支援プログラムの企画営業・運営ディレクター、感染症組織のリサーチフェロー、感染症研究所の研究プロジェクトアシスタントなど、“健康学習支援”の専門家として様々な業務に従事しました。

2010年からは国立大学医学部保健学科にて保健師養成課程の講師として勤務。2020年にフリーランスとなり、2021年4月には起業して”VIAヘルスラボ”を立ち上げました。

ーパラレルキャリアを志したきっかけを教えてください。

私の場合「志した」というより、結果として「そうなった」と言えます。

都内の大学附属病院で看護師として働いていたころ、国際保健や行政に関わる方々と接する機会がありました。そうした方々との出会いが、イギリスでの専門研修受講に繋がっています。

帰国後は保健師として勤務する傍ら、「考える」ということについて学びたいと大学へ。周りからの勧めもありそのまま修士・博士課程へ進学したのですが、学費を稼ぐためにも、働きやすく、専門性が生かせる職に従事する必要がありました。

合わせてこの時期、単発や短期間のお仕事もいくつかお声がけいただき、複数の業務を並行して進めていくうち、自然と”パラレルキャリア”になっていたというのが実情です。

ーコラムで取り扱っているテーマに興味を持ったきっかけを教えてください。

私は2021年4月から1年間「こころとからだの健康」について、2022年4月から「更年期」についてコラムを執筆してきました。

「こころとからだの健康」について興味を持つようになったのは30代の頃。当時職場は4人チームだったのですが、そのうちお2人は怒りやすかったり、落ち着きがなかったりと、精神的に不安定な状態。また、私自身も対人関係でストレスが多く悩みがちでした。

そこで”スーパービジョン”という専門家のセッションサポートを受けてみることに。その結果、対人関係の悩みが軽減されて気持ちが楽になりました。この経験は、避けることなく「自分のこころを見つめる」ことが「こころとからだの健康」に繋がるということを私に教えてくれました。

「更年期」は「こころとからだの健康」というテーマの延長でもありますし、よくご質問をいただく内容であることから意識を持つようになりました。「更年期」に対して不安を抱いている女性は多いと思いますが、私が持っている知識をお伝えすることで、皆さんが少しでも「更年期」を明るく、楽しく過ごすことができればと考えています。

−パラレルキャリアとして直面した苦労・つまづいたこと・困難について教えてください。またそれらをどうやって乗り越えましたか?

「大学院に通いながら勤務可能な形態」という前提で仕事を選択したので、そこまで大きな苦労や困難はありませんでした。もちろん仕事は保健医療ということで、命にかかわる場合もあり、常に緊張感は伴います。けれど職場の研修サポートが充実していたのと、新しいスキルを身につけることができたので、経験できて良かったと思っています。

ただ、夕方から深夜の電話健康相談については、体力的な辛さはありました。また、単発のお仕事をいただく場合には、期限があり、通常の業務にプラスして対応することになるため、時間管理や体調管理に気をつけています。睡眠時間の確保、食事の栄養バランス、気分転換を心掛けて乗り切っています。

−パラレルキャリアを志す女性にメッセージをお願いします。

複数の業務を並行して進めるという経験を通して、仕事のコア・特徴・共通する部分を見い出し、それが次のステージへ繋がっていったと感じています。ぜひ好奇心やユーモア、俯瞰する視点を持ちながら、様々なことにチャレンジして欲しいと思います。

パラレルキャリアを継続する中で、時に何かを手放すという経験もするかもしれません。けれどそれも新しい自分に出会うチャンス。人にはいろいろな顔があり、様々な場を持つことで世界は広がります。どんな経験も無駄になることはありません。

日々忙しく、時に苛立ち、落ち込んだり……。それでも、何度も自分を整えて生きている全ての女性にエールを贈ります。

明美さんのコラムでは「そもそも更年期とは」という所から、更年期が起こる仕組みや症状、対応策について分かりやすく解説されています。正しい知識を身に付けて「更年期」に備え、年齢を重ねても自分らしくパラレルキャリアを実践できるよう、ぜひ過去分も含めて明美さんのコラムに目をとおしてみてくださいね。

Interviewed and written by Naoko Udagawa

▼過去のコラムはこちらからご覧いただけます。
Aile通信Web版 http://aile-official.co.jp/media/

投稿者プロフィール

YamazakiAkemi
YamazakiAkemiパーソナルへルスコンシェルジュ®
保健医療、公衆衛生の世界で活動してきました。
この観点からみる、「どう生きるか?」という問いを、ずっとしているように思います。

「健康」は、何かを達成する”手段”です。

どんな状態のこころとからだも、変化がうまれます。
こころもからだも、(特定の場合を除き)、
したようになっていく、といえましょう。

自分を、自分が思うように、この世に活かしたいのであれば、
自身の心身にフォーカスする時間が必要ですし、大切です。

時々、自分のこころとからだをみつめ、整える、
このことを行う伴走者としての、パーソナルヘルスコンシェルジュ®です。

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そして、生き方の多様は、性の多様性でもあり、
国によっても、また時代によっても大きく捉え方が変わるので、
きちんと語る場を創って行くことの大切さを感じています。

社会の中のパートナーシップは、なんでも大切なものですが、
恋と愛と情のパートナーシップは素敵でもあり、
ときに人を悩ませます。
ことに、性が関わる時など。

大人がハッピーでいることは、次世代に影響していきます。
大人がハッピーでいるために、こころとからだの健康や性の健康は重要ポイントです。


私がこの道へ進む、そのきっかけは、自分の思いとは別なことから。
でも、それがいつしか自分の歩む道になっていたような。

だからでしょうか、
どう生きるのかを「考える」ことを、ずっとしてきたように思います。

「ものを考えるということを、しっかりやってみよう」と伝えています。
これは、自分の強さと弱さを味方に、しなやかに生きるヒントかもしれません。
パラレルキャリア専門エール通信

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