更年期のセクシュアルヘルス

ヘルスケア部門：更年期　ライターの山崎明美です。
「更年期」連載８回目は、更年期の性：セクシュアルヘルス、です。【40代、50代からの性を語る？】『セクシュアルヘルス』は、生殖器の健康、心と体と性のバランス、性行為など、多岐にわたり、単に性行為のみをさすわけではありませんが、今回は更年期の性行為について考えてみましょう。

更年期、50代の性行為について、「え？まだ（性行為）するの？」などという言葉を耳にすることがあります。反面、定期的に性行為を楽しみ続ける人もいます。様々な調査でも、更年期世代は、性行為について、する・しないの指向がわかれる傾向がうかがえますが、決めるのは“じぶん”です。

【更年期＝女じゃなくなる、のではない】

更年期に、あなたの「女性性」がなくなるわけではありません。例えば、女性ホルモンや男性ホルモンが減少すると、性欲が減る方向に向かう傾向があります。反面、女性ですと、女性ホルモン減少により、体内での男性ホルモンの割合が増えることになり、性欲が増す、という人もいて様々です。

50代を「性の本当の開花」ということもあります。心理的にも身体的にも、「女でいる」も「中性に寄っていく」も選択できるのです。どれも、じぶんがどんな人生を過ごしたいか、の選択ですね。

【伸びやかな、性とのつきあい】

『ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ2020』によれば、

◇性行為の時に「痛い」と答えた女性のうち、性的満足度が50代ではより低い傾向、

◇ゼリー以外の痛み対策をほとんどとっていない傾向、

◇「セックスしたいと思いますか」の問いに、男性の「したい」の割合が平均よりも高いのは 40 代（85.9%）、50 代（81.2%）であるのに比して、女性は20 代（60.2%）、30 代（57.3%）で、男女間では「したい」年代が合致しない傾向、

◇マスターベーションは、男性は年齢を超えて高頻度で経験している傾向、が報告されています。

性行為を、男女共にある程度「継続していく」と、70代まで性的行為ができるともいわれています。若い時の勢いはなくとも、深く感覚も愛情も感じることができます。更年期はその途上、するもしないも選択ですし、したい場合は継続の仕方を模索するのも選択であり、恥ずかしいことではありません。

先述の報告はごく一部ですが、このような報告から、更年期世代のパートナーシップでの性行為は、若い時よりも、互いの希望を共有した調整がより必要になってくるといえそうです。もう関係が良くない、性の話のきっかけがない、でもセクシュアルな雰囲気が欲しい、のであれば、まず自分を整えること。自分の対し方が変わることで、相手の反応が変わることは多いものです。

さらに、セルフプレジャーも。ロマンスの本や映画、動画、素敵な人を見て、ほんのり楽しむのも、熱く楽しむも、何歳であっても自由です。

次回は、更年期の性：セクシュアルヘルスを心地よくする具体策をお伝えします。