インタビュー企画<第3回>_滝井のぞみさん

第3回目のインタビューに応えてくださったのは、教養部門 語学習得法担当の滝井のぞみさん。2021年10月からコラムをご投稿いただいています。”勉強ではない、ワクワク楽しい語学との付き合い方”として「語活 (ごかつ)」という言葉を生み出してしまうほど語学を愛するのぞみさん。これまでどのようなパラレルキャリアの道を歩んで来られたのか、お話しを伺ってみました。

−これまでの経歴について教えてください。

中学生の頃から海外に興味を持ち始め、大学3年生のとき10ヶ月間ドイツへ語学留学をしました。日本の大学を卒業したのちドイツで進学し、修士号を取得。在独邦人へドイツの情報を発信する日系企業に就職し、経理事務・営業補佐の仕事を担当していました。

当時どうしても翻訳・通訳の仕事をしたかったので、社内で翻訳関連の業務があれば立候補したり、フリーでの仕事に応募したり。思えば社会人2年目の頃から、会社員+フリーランスの翻訳・通訳という形で複業をしていたことになります。

将来的には翻訳・通訳一本で生計を立てられるようになりたいと思い、仕事をしながら裁判通訳・認証翻訳の試験勉強を始めました。けれどその一方、「もっと税務や会計について知りたい。」という気持ちも生まれ、ドイツ系の税理士・会計事務所へ転職。

自分のキャリアに悩みながらも裁判通訳・認証翻訳の勉強は継続し、最終的に試験に合格できた時は、とにかく嬉しかったのを覚えています。そしてフリーランスの翻訳・通訳として独立。独立してから8年が経った今、新たに翻訳・通訳業+執筆業+外国語習得関連という形でキャリアを構築中です。

ーパラレルキャリアを志したきっかけを教えてください。

3年前に結婚したことが1番のきっかけかもしれません。夫は日本人で転勤族。今後日本も含めてドイツ以外の国に行く可能性があります。そのため「世界中どこでもできる仕事」を念頭に、自分のキャリアを考え始めました。

また、私にとっては「仕事の柱が3本以上ある状態」が理想的。コロナの影響から対面で行う通訳の仕事が激減したことをきっかけに、「通訳の他にも人と触れ合える仕事がしたい」と新たなパラレルキャリアを考えるようになりました。そこでたどり着いたのが、ドイツ留学についての情報発信と外国語習得関連。翻訳・通訳業+執筆業+外国語習得関連を「生涯の仕事スタイル」として確立したいと考えています。

ーコラムのテーマでもある「語学習得法」に興味を持ったきっかけを教えてください。

外国語の取得に関しては、気づいた時には興味を持っていました。大学で語学留学をしてからは日本語・ドイツ語の先生になるのも楽しそうだなと思い始めました。

けれど実際に、ドイツの大学や日系企業で日本語やドイツ語を教えるという経験をしてみると、「先生/生徒」という関係性がしっくりこないことに気が付き、「先生」を目指すのはやめることに。

それ以降、外国語習得については私の趣味として考えていました。Aileのコラムニストにも、実は違うテーマで応募をしていたんです。けれどコラム室の皆さんに「外国語の習得に関してコラムを書いていただけませんか」とお声がけいただき、新たなパラレルキャリアの軸として考えるきっかけになりました。外国語習得は私のキャリアにとって、外すことができない大切なテーマだと実感しています。

約14年前にドレスデン工科大学でドイツ語を教えていた時に生徒たちと

−パラレルキャリアとして直面した苦労・つまづいたこと・困難について教えてください。またそれらをどうやって乗り越えましたか?

パラレルキャリアを実践する上で課題となるのが「タイムマネージメント」。

独立前はフルタイムで働きながら複業をしていたため、1ヶ月半近く全く友人に会えない時期もあり、プライベートとのバランスに悩みました。

現在は個人事業主として活動していますが、最近も翻訳・通訳業の依頼が立て込み、新たなパラレルキャリアを確立するための活動時間を確保することが出来ず、反省していたところです。

タイムマネージメントに関しては私もまだ試行錯誤中ですが、まずは「自分のありたい姿」を設定すること、その上で「やらないこと」を決めることが大切だと思っています。

私の場合、「ありたい姿」は「世界中のどこでもできるパラレルキャリアを実現している」状態。それがはっきりしたことで「ドイツでしかできない仕事」に関しては減らしていく決意ができました。
また「ご飯は自炊した方が良い」という考えをやめたところ、夫が料理に目覚めるという嬉しい効果も。2年前まではほとんど包丁を持ったこともなかったのに、最近では頻繁に手料理を振舞ってくれます。

−パラレルキャリアを志す女性にメッセージをお願いします。

大切なのは一歩を踏み出すための「少しの勇気」です。

何か新しいことを始めようとする時、まず頭の中でアイディアを考えてみることは大切です。けれど考えているだけで行動に移さなければ、物事は前に進みません。またどんなに時間をかけて考えたところで、想定通りにいかない場合だってあります。

アイディアを完璧に詰める前に、5割〜6割の段階で勇気を出して動いてみる。3割くらいの段階で、思い切って人に意見を聞いてみる。そうすることで軌道修正が必要だと気づけたり、改善点がみつかったりします。

「パラレルキャリアを築いていきたい」と思ったら、まずは一歩踏み出してみましょう。
私自身まだまだ新たなパラレルキャリアを構築中ですが、Aileで仲間の輪を広げながら思い切り自分のキャリアを楽しみたいと思っています。

いかがだったでしょうか?のぞみさんのコラムには語学学習のハードルを下げ、楽しくしてくれるヒントが数多く紹介されています。これから新しい言語を習得しようと考えている方、語学学習につまづき悩んでいる方は、ぜひのぞみさんのコラムを参考にしてみてください。ひこの機会に過去の投稿も含め、読み返してみてはいかがでしょうか。

Interviewed and written by Naoko Udagawa

▼過去のコラムはこちらからご覧いただけます。
Aile通信Web版 http://aile-official.co.jp/media/

投稿者プロフィール

滝井のぞみ
滝井のぞみドイツ語公認通訳翻訳士/執筆家
ドイツ語公認通訳翻訳士/執筆家
◆ドイツ在住計17年のドイツ語公認通訳翻訳士
◆ドイツ留学についての著書『授業料ゼロ円留学』を出版
◆ドイツ・オランダ2拠点生活
◆インドア派の旅行好き
◆古いものやアンティークが大好き
(https://lit.link/nozomidoitsu)
パラレルキャリア専門エール通信

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