ライティングを指導する立場になったら?

ビジネス部門「ライティング術」 ライターの吉田和歌子(wacoxxx)です。
「ライティングを指導する状況になりつつあります。ダメ出しをしなくてはいけない立場なので、どのように伝えたら良いのか悩みます」このようなご相談をいただきました。


これまでのテーマと異なるのは、ご自身が書くのではなく、お相手に文章を改善してもらうための指導法を知りたいという点です。私自身は、編集者時代に10,000件以上の原稿を添削・指導してきましたが、出版物として公に出す前提のものなので妥協はしませんし、まあまあ厳しい上司だったと思います。(笑)


ただ、物書きのプロでなくとも、・プレスリリース・プレゼン資料・メールなど、新入社員や部下、仲間の書いた原稿にフィードバックするシーンは大いにあると思いますので、その辺りも踏まえて心掛けている点をお伝えします。

ポイントは、大きく2つ。“何を” “どのように” 伝えるか です。

一つ目の“何を”については、過去記事4件『書くより重要!?「校正・校閲ポイント」トップ10』で、具体例を解説していますのでご参照ください。

二つ目の“どのように”は、コミュニケーション術とも言えます。大前提として、私が大切にしているのは以下の2点です。

1)
相手を尊重する大袈裟かもしれませんが、立場や役割はどうあれ、同じ人間です。経験不足やスキル不足から至らない点があるのは想定内。その上で、相手の成長を願い、原稿の精度を上げるためにと、現状把握から入ります。具体的には、明らかに改善したいポイントであっても、まずは本人の意図を確認します。
「全体を通して、一番伝えたいことは何?」
「ここで何を伝えようと思ったの?」
「なぜ、ここはこう表現したの?」など。

意図が問題なければ「いいね。その上でこうするとさらに良くなるよ」意図そのものを見直した方が良い場合は、「なるほど。それも良いけど、こうしてみたらどうだろう?」と提案し、方向性を擦り合わせていきます。

2)
目的を明確にする書く作業に没頭するうちに「原稿の目的は何か?」が抜け落ちてしまう場合があります。それが見受けられた場合は、改めて目的を確認・共有します。

  • まず労い、良い箇所を具体的に褒める。
  • その上で1)の意図確認の質問をする擦り合わせるなかで、読み手視点でも見直していきます。
  • 読み手にとって最善最適な内容か?
  • 読んだ後に何を得てほしいのか? 
  • どう動いてほしいのか?

ここが明確になると、自然と改善点も浮かび上がり、構成→盛り上がりポイント→表現の順に修正していくと、原稿の完成度がグンと上がります。

実際にやってきたことを書き出してみましたが、〆切が迫っている場合は、ここまで丁寧に手順を踏むのは簡単ではありません。ですが、「ベストな最終形にしたい」という想いがあるなら、それは伝わります。その結果、読み手はもちろん、書き手にとっても最善のフィードバックとなり、最高の原稿が仕上がると私は思っています。

今回の記事が皆さんのお役に立ち、必要な人に、必要な情報が、伝えたいとおりに伝わりますように。

投稿者プロフィール

吉田和歌子
吉田和歌子個人起業家 発信力サポーター
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“想い”を“言葉”に
その“言葉”が未来をつくる
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14年間の広告・編集業界を経て2018年にフリーに。
現役ライターとして活動中。
1,000人以上を取材してきた【取材力】で魅力を120%引き出し、ありありとイメージさせる【文章力】で心を揺さぶるのが得意。
10,000人以上の添削&修正してきた【ライティングスキル】を生かし、
個人起業家の《発信力アップ》をサポートするライティング講座を開講。
プライベートでは、元バックパッカーのマイペース夫とおじいちゃんのような5歳男児と悲喜こもごもを共にしている。
パラレルキャリア専門エール通信

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