《ポジティブ劣等生マインド》を鍛える

語活仲間の皆さん、こんにちは。
教養部門 語学習得法ライターの滝井のぞみです。皆さんは今、何語の語活をしていますか?英語?中国語?韓国語?それともフランス語?そしてどんな未来を描いていますか?自由に話せている自分を想像できていますか?

今回のテーマは、語学の「マインド」です。パラレルキャリアを楽しんでいる、あるいはパラレルキャリアを目指している皆さんは、「ビジネスでもマインドが大切」という話は耳にしたことがあるかと思います。実は……というか当然ですが、語学習得の成功にも「マインド」が大きく影響します。

語学のマインドに関してよく耳にするのは、

「日本人は、もっと自信を持ってもいい」
「諸外国の人は、ちょっと知っているだけでも『自分は話せる!』と自信満々なので見習うべき」

というような、《私はできる!マインド》を持つことです。
確かに学校で英語を多少なりとも学んできたわけですから、もう少し自信を持って良いというのは分かります。けれど「そうは言っても……。」と思う方は、私だけではないはず。

私の場合、田舎の学校で少し英語の成績が良かったために、周りから「できる人」だと褒められ、「自分は英語できる」と思っていました。しかし、ある日英語で会話をする場面に遭遇して撃沈し、自己嫌悪に陥ったという経験が(笑)。完璧に《私はできる!マインド》を持っていたのに、非成功体験をしてしまった訳です。

もちろん《私はできる!マインド》でポジティブな気持ちになり、本来の力を発揮して話せるようになる場合もありますので、このマインドが合っているという方もいます。また、以前おすすめした語活法の「独り言」などで、会話の練習や復習を繰り返し、準備を入念にした場合にも、この《私はできる!マインド》は有効。けれどこの《私はできる!マインド》がどうしても持てないという方もいらっしゃるはず。

そんな方におすすめしたいのが《ポジティブ劣等生マインド》。これは、「自分はできない」ということを前提としたマインドですが、《ポジティブ》というのが鍵。ここで言う「自分はできない」とは、「知らないことや間違えてしまうことがたくさんある」という意味です。つまり《ポジティブ劣等生マインド》は「間違うのが当たり前!だって私は知らないことやできないことがたくさんあるのだから。」というマインドです。また私の話になってしまいますが、ドイツに初めて来た時、ドイツ語のクラスでは一番の劣等生で、先生やクラスメイトが言うことは何も分からず、孤独を感じていました。発言をすることができなくて、いつも「受け身」の状態。

けれどこの《ポジティブ劣等生マインド》を持つようにしてからは、「皆んな私よりドイツ語ができるということは、先生だけでなく、クラスメイトも私にとっては『先生』!なんて恵まれた環境にいるんだろう!」と気持ちを切り替えることができました。それからはたくさん質問し、たくさん間違えて、積極的にドイツ語を習得することができました。

《ポジティブ劣等生マインド》を手に入れる方法は、意外と簡単。少し勇気を出して、外国語で話してみて、人前で間違えてみる。ただそれだけです。できれば最初はネイティブや、その他外国人の前で間違えてみてください。ドキドキするかも知れませんが、間違っても誰も笑いません。分からなかったら、「どういう意味?」とか「教えてくれる?」と聞いてみてください。これを2〜3回やるだけで間違えることも、聞き返すことも、ぐっとハードルが低くなるはず。

そして、《私はできる!マインド》でも、《ポジティブ劣等生マインド》でも共通して大切なのは、明るい未来を想い描くこと。ペラペラと自由に話せている自分をありありと想像し、自分はできるようになると信じることです。つまり、妄想してイメトレすること。

「人は想像したこと以上のことを成し遂げることはできない」という考え方は、語学でも同じです。想像することが難しければ、大人になってから外国語を始めて話せるようになった人を探してみてください。私の周りにはたくさんいます。そんな人たちに出会うと、「自分もできる!」と勇気をもらえますよ。

皆さんの語活が楽しいものでありますように!

投稿者プロフィール

滝井のぞみ
滝井のぞみドイツ語公認通訳翻訳士/執筆家
ドイツ語公認通訳翻訳士/執筆家
◆ドイツ在住計17年のドイツ語公認通訳翻訳士
◆ドイツ留学についての著書『授業料ゼロ円留学』を出版
◆ドイツ・オランダ2拠点生活
◆インドア派の旅行好き
◆古いものやアンティークが大好き
(https://lit.link/nozomidoitsu)
パラレルキャリア専門エール通信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です