「目標設定が苦手」な方に伝えたい!その2

キャリア部門ライターの山下いずみです。前回のコラムでは、1.やる気を引き出す動機づけには2つのアプローチがある(ビジョン型・価値観型)、2.価値観型タイプは目標を立てても行動できないことがある(ビジョン型とは別のアプローチが必要)、という2点をお伝えしました。

「私ものび太派でした!」
「目標設定が苦手なのは自分だけではないと知って安心しました!」

と個別にメッセージを下さった方もいらっしゃいました。

大切なのは「自分に合ったやる気の出し方を知る=自分に合った動機づけができるようになる」こと。ビジョン型と価値観型については、どちらが良い/悪いというものではありません。そして今回は目標をうまく立てられなかったり、目標を立てても結果が伴わなかったりして自分を責めてしまいがちな方に向け、「自分のハートに火をつける方法」ご紹介したいと思います。

相談者:Sさん(40代前半)独身、人材エージェントに勤務

<相談内容>
現在の職場に長い間勤めていますが、日々の仕事に疲れてしまいました。転職支援を仕事にしていますが、自分のことは後回しで気が付けばもう40代。「このままでいいのだろうか?」と焦りを感じています。「人生100年」と言われる時代。これからまだ40年も働くと思うと憂うつになってしまいます。これから私はどんな夢や目標を持って頑張ればいいのでしょうか?

<やってみたこと>
昨年末「ビジョンボード」をつくる講座に参加してみました。実際に作成した「ビジョンボード」は部屋に飾ってありますが、見ると逆にプレッシャーを感じてしまいます。

「夢の実現を加速するツール」が、ご自身のストレスに……。それでは「ビジョンボード」はさっさと片づけてしまいましょう(笑)。罪悪感を感じることはありません。「Sさんには向いていなかった」というだけ。
Sさんに必要なのは「目標設定」ではなく「価値観の棚卸」。きっとそこからSさんの次の一歩が見えてくるはず。

<ワーク>

Sさんにとって今のお仕事で忘れられないシーンは?

元看護師さんの転職支援をしたときのことです。大学病院での仕事は夜勤もあり長く続けていけるか不安ということで、ご相談にみえました。その方は製薬メーカーの新薬開発部門へ転職が決定。ご挨拶に来てくださった際には満面の笑みで、「これで私も丸の内OL、スーツで出勤です♪」とスキップするようにお帰りになりました。そのときの嬉しそうな様子が今でも忘れられません。他人の転機に関わらせてもらえるこの仕事は、本当に幸せだと思いました。

喜びを感じる瞬間は?

クライアントさんの目がキラッと輝くときです。「私なんて……。」とはじめは下を向いていた方が、面談の中で自分の大切にしていることや経験に気づき、目の輝きが蘇る瞬間があります。

今一番辛いのは?

コロナ禍の転職支援です。電話やメールでのやり取りがメインになり、クライアントさんのお話をじっくり聞く機会が減ってしまいました。求人件数が増えてきて、会社からも「質より数」を求められていますが、「もっとクライアントさんの気持ちに寄り添いたい」というのが本音です。

これまでに言われて嬉しかった言葉は?

「Sさんと話していたら、頭の中のモヤモヤがすっきりした!」
「自分のことのように、私の考えていたことを言葉にしてくれて嬉しい!」

Sさんのように「価値観傾向」の強い人が理想の未来を描くためには、まず「充実していたとき」「嬉しかったこと」「やりがいを感じたとき」などの具体的な場面を挙げていくこと。そして「それの何が良かったか?」「自分にとって何が大事か(価値観)」を考えていきます。皆さんにも<ワーク>をとおしてSさんの価値観が見えてきたのではないでしょうか?

次回は「Sさんの価値観を満たせる未来とは?」について考え、具体的なアクションプランを考えていきます。皆さんだったらどんなアクションプランを提案しますか?またビジョン型の方は、ご自身がSさんだったら、どんなビジョンを描いて行動されますか?

ご意見・ご感想いただけたら嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

投稿者プロフィール

山下いずみ
山下いずみキャリアコンサルタント
『働くことは生きること』
人材エージェントで「企業」と「人」を繋ぐコーディネーターとして20年勤務、3000人以上の転職支援に携わる。
一方、個人では
「転職しなくてもいい」キャリア相談を実施中。
~しなきゃ、すべきの「正解思考」で頑張るアラフォー女性が、「~したい、しよう!」と自分の直感や可能性を信じて一歩踏み出せるようになることを目的にセッションを行っている。
1974年9月生まれ/神奈川県横浜市出身
趣味は野球観戦!待望のプロ野球も開幕、地元横浜DeNAベイスターズの優勝を願い、熱い声援を送る日々を過ごしている♪
パラレルキャリア専門エール通信

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