マインド部門 心の健康管理ライター 山崎明美です。
今回は職場の同僚が“うつ”状態になったら、あなたがどう対応すればいいかについてお伝えしたいと思います。
日本では現在100万人以上の人がうつ病で治療を受けていますので、約15人に1人が一生のうちに一度はうつ病にかかる可能性があるということになります(2020年時点)。
WHO(世界保健機関)では、うつ病の有病率(=ある一時点で疾病を有している人の割合)を3~5%と報告していますので、世界的には100人中3~5人はうつ病と診断されることになります。
以前に比べると、日本でも「うつ病」という言葉を知る人は増えているのではないでしょうか。
とはいえ、自分の身近な人が“うつ”状態になったり、うつ病と診断されたりした時に、どう対応すればいいのか知る人はまだ少ないというのが現状でしょう。断片的に何らかの媒体で見聞きすることはあっても、学ぶ機会は少ないので、どうすればいいか分からないことが多いものです。
当事者の力になれたらと思いつつも、どんな接し方をすればいいのか、どんな言葉をかけたらいいのか、どんな言葉を言ってはいけないのかなど、とまどう気持ちや、自分が何かをして悪化してしまわないかと心配することは、何ら不思議なことではありません。「何もできてない・できなかった」と自分を責めないことが大切です。
最近では、従来と異なる「新型うつ」が特に若い世代に増えているという報告もあり、うつ病が多様化しているとも言えます。
そもそもうつ病は
- ストレスや人間関係の問題
- サポートの少なさ
- これらに伴う自己感情
- 睡眠不足
- 運動不足
- 休養不足
- 遺伝
- 性格や思考の傾向
などの問題が複数絡み、起きやすくなることがあります。
「こうすればいい!」という対応の決定版はないのが悩ましいところですが、周囲の人が「こんな風に接するといい」という基本はあります。
その基本は「話を聴く」です。
- 「期待している」
- 「それではダメだ」
- 「もっとこうすべきだ」
- 「誰もそんな時はある」
- 「なぜそうなったのか」
などの“非難”や“原因追求”は適しません。
心配な気持ちを伝え、『聴く』ことです。そして『共感を示す』ことです。共感する前に当事者がどう感じたかを確認できると、より気持ちに寄り添うことができます。その上で「辛かったんだね」「そうだったんだね」「大変だったね」などの共感の言葉を伝えると良いでしょう。
この時に大切なことは、コミュニケーションの基本である
◎「みんな違う」
◎「一人称で伝える」
◎「ジャッジメントしない」
という姿勢で聴くことです。
答えを用意していてその答えに引っ張ろうとすると、それは相手に伝わり良い方向に着地しにくいものです。
そしてあなたが「何とかしよう」と頑張らないことです。あなたができるのは当事者を早く専門家につなぐことです。もっとも、この“専門家につなぐ”というのをどうすればいいか悩むケースが職場では発生しがちです。
うつ病は医療介入が成功しやすい病気とも言われています。精神的な落ち込みやうつの傾向が表れた時点での「早期発見・早期対応」が重要です。次回は「職場でどのように『早期対応』につなげるといいか」をお伝えしたいと思います。
〔心の健康処方箋〕
- サポートするあなたは楽しいことをしてストレス解消を
- 「聴く」ことは日常から
投稿者プロフィール
-
保健医療、公衆衛生の世界で活動してきました。
この観点からみる、「どう生きるか?」という問いを、ずっとしているように思います。
「健康」は、何かを達成する”手段”です。
どんな状態のこころとからだも、変化がうまれます。
こころもからだも、(特定の場合を除き)、
したようになっていく、といえましょう。
自分を、自分が思うように、この世に活かしたいのであれば、
自身の心身にフォーカスする時間が必要ですし、大切です。
時々、自分のこころとからだをみつめ、整える、
このことを行う伴走者としての、パーソナルヘルスコンシェルジュ®です。
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そして、生き方の多様は、性の多様性でもあり、
国によっても、また時代によっても大きく捉え方が変わるので、
きちんと語る場を創って行くことの大切さを感じています。
社会の中のパートナーシップは、なんでも大切なものですが、
恋と愛と情のパートナーシップは素敵でもあり、
ときに人を悩ませます。
ことに、性が関わる時など。
大人がハッピーでいることは、次世代に影響していきます。
大人がハッピーでいるために、こころとからだの健康や性の健康は重要ポイントです。
私がこの道へ進む、そのきっかけは、自分の思いとは別なことから。
でも、それがいつしか自分の歩む道になっていたような。
だからでしょうか、
どう生きるのかを「考える」ことを、ずっとしてきたように思います。
「ものを考えるということを、しっかりやってみよう」と伝えています。
これは、自分の強さと弱さを味方に、しなやかに生きるヒントかもしれません。
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