子の送迎で進んだ働き方改革

キャリア部門 海外子育て ライターのスピアかずこです。
ハワイで2人の娘の出産と子育てを経験し、娘達は現在大学生と大学院生になりました。在住者目線での子育て事情をご紹介していきます。

エールプロジェクト

重い親の責任

アメリカでは州によって子育ての環境が異なりますが、共通して言えるのは「子どもの安全確保は親の責任」だということ。ハワイ州では13歳未満の子どもを監督者なしに放置していると、児童虐待を疑われてしまいます。なので、小さい子どもだけでの留守番はご法度。嘘のようなホントの話ですが、過去には日本人観光客がホテルの部屋で子どもに留守番させていたところ、セキュリティに見つかって、警察に通報されたというケースもありました。当然のごとく、子どもの学校への送り迎えは親の仕事。徒歩や自転車で通学することもできますが、通学途中での事故や犯罪から子どもを守るため、ほとんどの親が車で送迎しています。

5時半の掟

ハワイの公立小学校は8時〜2時30分が標準の時間割。学童保育に預けても、5時30分が子の引き渡しの最終時間と、早いんです!Aプラスと呼ばれる学童保育は1ヶ月$120(約13200円)ですが、親がお迎えに遅刻すれば、15分単位で$5(約550円)の罰金が科せられ、遅刻の常習犯になると学童に置いてもらえなくなります。だから親はシンデレラのごとく、お迎えに遅れないように必死で学校に駆け付けます。この「5時半の掟」、まったくもって働く親泣かせではありますが、このために働き方改革が進んでいるという一面もあります。

どう対応してる?

病院のI T関連の部署で働く友人は、早朝6時開始のシフトを組んでもらい、2時に終業。子どもを2時30分にピックアップし、水泳の課外活動を長年続けさせています。なにせ子を持つ社員全員が同じ事情を抱えているので、職場の理解も必然的に進み、こうした早朝シフトで働く親は多いです。筆者自身は、正社員を辞めフリーランスとして働く道を選びました。20年前から子どものお稽古ごとや部活動の送迎の待ち時間に、スタバで原稿を書くノマドワーカーです。ママ友と「ライドシェア(送迎分担)」して、負担を減らす工夫もしました。

こうした事情に加えて、昨年からはコロナ禍でオンライン化が急速に進み、在宅ワークにシフトする企業が増えています。全米ではこれを機に、より物価が安く住環境が良い州へと都市部から移り住むファミリーが急増しています。こうして、今アメリカではフレキシブルな働き方が着々と進んでいますが、親の複業のひとつが「子どもの運転手」と言われる現実は、なかなかシビア。

子どもだけで安全に移動できる日本がうらやましいような(笑)。ちょっぴり複雑な心境です。

投稿者プロフィール

スピアかずこ
スピアかずこフリーランスライター&コラムニスト
フリーランスライター&コラムニスト

ハワイ在住32年。島の普通の公立校から塾なしでアイビーリーグへ進学した娘の子育てを通し、米国の教育事情やグローバル子育てを発信中!
パラレルキャリア専門エール通信

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