子育ては母親だけの仕事ではない

子育て部門 「海外子育て」 ライター スピアかずこです。
It takes a village to raise a child. という有名な諺があります。
「子供を育てるのはその両親や家庭だけでなく、地域社会全体が子供の成長に関わっているのだ」という意味で、アメリカではよく使われています。

子育ては何処でも大変

日本の社会は、母親がフルタイムで働く環境がアメリカに比べて、厳しいと感じます。都心では保育園に入るのもひと苦労で、職種によっては時短勤務が出来なかったり、通勤が大変だったり。さらに子供の急病で仕事を休もうものなら、迷惑をかける職場に肩身の狭い思いをしっぱなし。夫と子育ての負担を分担しようにも、仕事に追われて、それどころではないというケースも多いのでは?と思います。

じゃあアメリカ(ハワイ在住)が気楽かといえば、そうともいえません。保育園(プリスクール)の費用は月1,000ドル超え。人気の園には赤ちゃんの頃から待機リストがあるんですよ。そして小学校の学童保育のお迎え時間は5時30分で、少しでも遅れると、15分ごとに超過料金が加算され、常習犯はキックアウトされます。車社会で犯罪も多いことから、通学やお稽古事は親が送って行くのが当たり前。中・高生の親は、お抱え運転手として、目も回るような忙しさです。

このように所変われば事情も変わりますが、子育てが親の時間とエネルギーをとてつもなく奪うのは、何処も同じだなぁ〜と思わずにはおれません。

母親だけの責任じゃない

でもアメリカで実感するのは、子育てが母親だけの責任ではないということ。父親が学校の送迎やボランティアをするのは当たり前だし、P T Aだって積極的に参加しています。わが夫も最初は重い腰を上げて参加したP T Aでしたが、どんどんパパ友が出来て、学校行事が終わるたびに「打ち上げ」と称して、ご近所で飲み会を楽しんでいました。

子育てに関わるのは、なにも父親だけではありません。祖父母や叔父叔母などの家族はもちろん、ご近所さん、友人など、信頼出来て子供に愛情を持って接してくれる人たちが、手厚いサポートをしてくれます。仕事の時間調整も、上司や職場の理解が得られることが多いですね。みんな「自分たちも通ってきた道」なので、子育ての大変さを理解し、助け合う土壌が出来ているように思うのです。

母親だけが一人で責任を背負って、苦しい思いをしなくてもいい。重い荷物を、時には周囲の人に背負ってもらいながら、子育てを楽しむ余裕を作っていくことが大事。親兄弟と離れた海外で子育てしていると、その分、周囲の人たちの力を借りなければやっていけないことも多く、その積み重ねで、気がつくと、自分なりの小さなビレッジができていました。同時に子供達も、社会性を身につけることができていたのです。

どこまでも自分らしく、でも一人で抱え込まずに、社会に開かれた子育てをしてみませんか。

投稿者プロフィール

スピアかずこ
スピアかずこフリーランスライター&コラムニスト
フリーランスライター&コラムニスト

ハワイ在住32年。島の普通の公立校から塾なしでアイビーリーグへ進学した娘の子育てを通し、米国の教育事情やグローバル子育てを発信中!
パラレルキャリア専門エール通信

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