ライティング術ライターの吉田和歌子(wacoxxx)です。
「書く」作業と同じくらい重要かつ絶対に欠かせない工程「校正・校閲」のポイントを、これまで2回にわたってお伝えしてきました。
「校正・校閲」のポイントは、そのまま「文章を直すコツ」とも言えます。 10,000件以上の添削をしてきた経験から、意識しているのは大きく分けて
□読みやすいか
□伝わるか
□間違いはないか
の3つの視点だと感じています。
そこで、3回目の今回は「伝わりやすさ」の視点から、トップ⑤~⑧をお伝えします。
ポイント⑤ ムダな「情報」を削る
基本的に、文章は思い切って削ることで洗練され、読みやすく伝わりやすい文章になります。文字だけでなく“意味の重複”も意識して、半分削るくらいのつもりで見直してみましょう。
《例文》
ターゲットを再設定したいので、ひとまず企画書を見直します。ターゲットの絞り込みの甘さに気づいたためです。「後悔先に立たず」という格言もあります。少しお時間をいただけますでしょうか。
■本筋とあまり関連性のない情報「『後悔先に立たず』という~」という文章は、全体から判断して本筋との関連性は低く、無くても良い情報といえます。
■重複する情報「ターゲットの絞り込みの甘さに気づいた」という文章は、「ターゲットを再設定したい」の言い直しなのでカットします。
ポイント⑥ ムダな「表現」を削る
冷静に読むと、重複している表現は結構あるものです。削る前提で読んでみてちょうどいいかもしれません。
■くどい言い回し
ライターという職業は、文章で表現することが仕事だということだ。→ライターは、文章で表現するのが仕事だ。
■なくても意味が通じる接続詞
私は料理が好きだ。したがって、いずれは料理教室を開きたいと思っている。しかし、場所選びに難航している。
→私は料理が好きだ。いずれは料理教室を開きたいと思っている。しかし、場所選びに難航している。
■二重表現
はっきりと断言する
→ 断言するまず最初に
→ まずor最初に各部署ごとに
→ 部署ごとに
■副詞の乱発
副詞を使いすぎると、野暮ったい印象になる場合があります。適度に使いましょう。
《例》とても、すごく、たくさん、かなり、本当に、大変、ずいぶん、だいぶ など
ポイント⑦ 適切に修飾語を入れる
修飾語は入れる位置によって意味が変わってきます。誤解を招く恐れがあるので適切に配置しましょう。基本的には、被修飾語の直前に置くと覚えておいてください。一文を短くした方が良いというのも、修飾部が長くなり主語と述語の間が離れすぎると意味が分からなくなることが理由の一つです。
《例文》
いずれ年齢を重ねれば、親元を離れていくだろう。
→年齢を重ねれば、いずれ親元を離れていくだろう。
斎藤さんの美しい作品はこちらです。
美しい斎藤さんの作品はこちらです。
→美しいのは「斎藤さん」か「作品」かによって使い分けます。
ポイント⑧ 丁寧語・尊敬語・謙譲語
ていねいに伝えようと尊敬語や謙譲語を使用しすぎると、逆に分かりにくくなることがあります。動詞や名詞で書き換えられるのであれば、表現を変更してみましょう。
《例》
参加者に負担していただく費用は以下のとおりです。
→参加費は以下のとおりです。
地域別にまとめさせていただきました。
→地域別にご紹介しました。
長くなってしまったので、「正しさ」の視点による「校正・校閲ポイント」は次回に続く、、とさせていただきます。
今回の記事が、ご自身の書き上げた記事を発信する前に、チェックする参考にしていただければ幸いです。
2020年もご覧いただき、ありがとうございました。
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投稿者プロフィール
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“想い”を“言葉”に
その“言葉”が未来をつくる
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14年間の広告・編集業界を経て2018年にフリーに。
現役ライターとして活動中。
1,000人以上を取材してきた【取材力】で魅力を120%引き出し、ありありとイメージさせる【文章力】で心を揺さぶるのが得意。
10,000人以上の添削&修正してきた【ライティングスキル】を生かし、
個人起業家の《発信力アップ》をサポートするライティング講座を開講。
プライベートでは、元バックパッカーのマイペース夫とおじいちゃんのような5歳男児と悲喜こもごもを共にしている。
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