キャリア部門 海外子育てライター 大阪出身ハワイ在住32年のスピアかずこです。
ハワイで2人の娘の出産と子育てを経験し、娘達は現在大学生と大学院生になりました。ハワイやアメリカの子育て事情をお話ししています。
最近「世界に通用する子育て」が話題です。経営者、教育者、母親など立場は違っても、このテーマについての著書は出版ラッシュ。大企業に生涯雇用されることをゴールとしていた時代はとうに終焉となり、これからアフターコロナの「風の時代」を生きる子どもたちは、いったい何を身につけなくてはならないのでしょうか。
新たな発想を生み出す思考法
アメリカはご存知の通り、自由競争の社会。就職も新卒・既卒の区別はなく、入社時期もまちまちなので、日本風な同期の繋がりもありません。大学在学中から夏休みはインターンシップに精を出し、実務経験を積んでコネを開拓し、就職を勝ち取ります。社会人となってからも転職を繰り返し、その度に肩書きを上げていきます。I Tやファイナンス関連の専門職なら、新卒でも1,000万を軽く超える年収を稼ぎ出します。こうした社会をリードする人材を輩出することに、アメリカの教育は力を入れています。
みなさんは「クリティカルシンキング」という言葉を聞いたことはありますか?「物事の本質を見極める思考プロセス」と説明されることが多いようですが、従来通りの考えや手法から脱却し「なぜこうなっているのか」「これは本当に正しいのか」といった疑問を追求することで、新たな視点や発想を生み出していく思考のことです。
クリティカルシンキングができる子ども(=将来のリーダー)を育てるため、アメリカの教育プログラムは驚くほど変化しています。小学生の算数だって、計算ドリルの宿題なんてもうありません。その代わり、答えにいたるまでの思考プロセスを説明させるのです。ひたすら計算をこなした世代の親にとっては、わが子の宿題をチェックしようにも、ちんぷんかんぷん!もうお手上げです。
リスクテイカーになる
さらには、失敗しない無難な選択をする人間より、リスクを負ってでも何かを生み出すチャレンジができる精神性(リスクテイキング)を重要視しています。周囲の人の力を引き出し、グループをひとつにまとめて、目的に到達する能力も必要という観点から、グループ・プロジェクトも小学生の頃から何度もやらされます。こうした教育を受けることで、失敗を恐れないイノベイティブなマインドが育まれ、失敗に寛容でやり直しがきく社会の土壌が出来上がるというわけです。
フェイスブック、アマゾン、アップル、テスラ…次々と世界を変える企業が誕生しているアメリカ。さあ、新しい教育を受けた世代がさらに世界を変えていく時代が、もう始まっていますよ!
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