ハイキングができる庭

教養部門「自然の楽しみ方」ライターのSally（サリー）です。

ニュージーランドに移住してかれこれもう10年以上
最近はあまり「未知」の体験をすることがないのですが
先日「やっぱりニュージーランド、すごい」と改めて魅力を感じる経験をしました。

私が住むオークランドは人口が約170万人
ニュージーランド全土のおおよそ 1/3を抱える国内最大の都市。
自然豊かなイメージのニュージーランドでも、やはり都心部では人も多いし渋滞もあります。

それでも街から自動車で40−50分も走ると羊がいる牧場地帯や
豊かな自然がのこる森や山や海岸があって、
私たちのハイキンググループも、たいがいはそういう場所を歩きに行くのですが、
先日はちょっと趣向を変えて一般のお宅の庭を歩きに行きました。

「ん、庭にハイキング？」

そうなんです。
今回訪れたのはオークランドから車で1時間ほど北に向かった
ワイナリーや美しい海岸がある町
そこにあるお宅で、ご自身の庭を一般に公開されている場所なのですが
その敷地の広さ、なんと7.3ヘクタール（１ヘクタールは1万m2）

オークランド出身の女性が息子さんの力を借りて一人で創り上げている
壮大なスケールの庭でした。
40年ほど前に別荘として購入した土地を、週末ごとに訪れては手を入れて
20年ほど前に完全に移住されてからはB&B（民宿のようなもの）を営みつつ
ガーデニングにひたすら情熱をかけてきたオーナーさん。

その広大な敷地には樹齢1000年にもなる木々や
最近では絶滅が危惧されているカウリの大樹の林があって
遊歩道から見えるコバルトブルーの海は透明度が高くて海底まで見渡せる美しさ。

自然の森をうまく残しつつ色とりどりの季節の花や
遊び心あふれる大きな野鳥のオブジェなど
人の手によるアーティスティックな創作を融合させたなんとも素敵で贅沢な空間でした。

もともとそこにある自然に抗うことなくその美しさを最大限に尊重するように
シンプルに整えられた庭園。
その調和があまりにも心地よく素敵だったので
わたしはハイキングのグループからは少し離れて一人で静かに森林浴をしながら
ゆっくりとその空間を味わいました。

いつもは結構な距離を草むら掻き分けガシガシ歩く感じのハイキング、
そういうワイルドな遊びも楽しいけれど
こういう、ニュージーランドならではの
自然な生活のスタイルを垣間見れた今回のイベント
普段住んでいる場所なのに、新しい土地に旅に来たような
そんな素敵な体験ができました。

今回は皆さんにも少しでもその雰囲気を
お伝えできるように写真をたくさん載せておきます。

海風、波の音、鳥の声、
どうぞイメージの中で追加されてください。