インタビュー企画<第5回>_山下いずみさん

第5回目のインタビューはビジネス部門 キャリア担当の山下いずみさん。2020年7月の投稿開始から2年間コラムニストとしてご活躍いただいています。いずみさんのコラムは”のび太”を相談者に見立ててストーリーを展開させるなど、楽しく読める工夫がこらされていて読者の皆さんからも好評。キャリアを専門とするいずみさんご自身は、どのようにパラレルキャリアの道へ進まれたのでしょうか。ご本人にお話しを伺いました。

−これまでの経歴について教えてください。

新卒で医薬品卸業界の会社に入社。病院や薬局を訪問し、薬を納品する仕事をしていました。時間に追われながら病院回りをする日々が続き、当時の私にとって「仕事=つらく苦しいもの」、そして「お給料=その苦しみの対価」。そんなとき偶然目にした求人情報誌で、ある人材派遣会社の「探そう、仕事の、歓びを。」というフレーズに心奪われ、気が付けば応募書類を送っていました。

無事に採用が決まり、2001年に転職。コーディネーターとして配属になったのはメディカル事業部でした。前職で日々顔を合わせていた医療従事者(薬剤師・看護師等)のキャリアチェンジを支援する部署です。「私は企業に勤めた経験がないから……。」と不安を感じているクライアントに、「大丈夫!医療現場や皆さんのお仕事に、この会社で一番詳しい私へお任せください!」と張り切ってお仕事を紹介する毎日。多忙ではありましたが、「自分の仕事で他人が笑顔になる瞬間」を何度も目の当たりにし、これが「仕事の歓び」だと実感することができました。以来約20年間で、延べ5,000人以上の転職支援に携わっています。

ーパラレルキャリアを志したきっかけを教えてください。

2016年にグループ会社の間接部門へ異動になったことがきっかけです。当時はようやく国家資格を取得したタイミングだったこともあり、「どうして私が……。会社は私を必要としていないの!?」と絶望しました。

けれど落ち着いて考えた結果、気がついたことがあります。それは「これまで他人のキャリア支援ばかりに夢中になって、自分のキャリアは会社任せだった」ということ。「私は何をやっていたんだろう……。国家資格の勉強よりも取り組むべきことがあったはず……。」と情けなくなりました。

また間接部門に異動したことで、「私は現場が好き!これからもキャリアに悩むクライアントに直接関わりたい!」という自分の中の強い思いに気づくこともできました。

社内にその場がないのなら、社外でできることはないか。たくさんの方にお会いして情報収集をする中で、「会社に勤めながら、キャリアコンサルタントとして活動する」という働き方を考えるようになりました。今ではあの時の異動があったからこそ視野も広がり、新たな一歩を踏み出すことができたと感謝しています。

ーコラムで取り扱っているテーマに興味を持ったきっかけを教えてください。

「キャリア」という言葉に向き合ったのは、30歳のとき。キャリアカウンセリングを学ぶ中で「(広義の)キャリア=人生の中でその人が積み重ねてきたすべての経験」という考え方を知り、衝撃を受けました。

“キャリアに正解はないし、アップダウンするものでもない”
“理想の生き方・働き方に向かって、キャリアを育てていくのはその人自身”

「このことをもっと分かりやすく伝えられないだろうか。」と考えるようになりました。
また私自身、「自分のキャリアにもっと早く向き合っておけばよかった」と後悔した経験から、「身近に楽しくキャリアに向き合う機会があればいいのに……。」とも考えるようになりました。

「皆さんには自分のキャリアを後回しにして後悔するような経験はして欲しくない!」そんな思いが私の原動力になっている気がします。

−パラレルキャリアとして直面した苦労・つまずき・困難について教えてください。またそれらをどうやって乗り越えましたか?

難しいのは時間と気力の配分です。これは現在も課題で試行錯誤しています。「今日は定時であがって、カフェで〇〇を仕上げる!」と決めていても、急ぎの仕事が入ってくるとそうもいかず、ぐったりして帰宅ということもしばしば。「複業をしているから手を抜いていると思われたくない!」という気持ちもあるのだと思います。Aile通信第14号で取材をさせていただいた杉村さんとも、「”パラレルキャリアのあるある”ですね!」と話題になりました。

時間と気力の課題に関して、私の解決方法は2つあります。1つはノートにタスクを書き出すこと。特に複業は「いつまでに何をやるか」自分次第であることが多く、先延ばしにしてしまいがち。週の始めにやる事と期限を書き出して視覚化することで、頭の中を整理しています。

2つ目は励まし合える仲間の存在。ぐったり疲れて「もうやめちゃおうかな」と心が折れそうになっても、仲間が活躍している様子を見ると「私も頑張ろう!」とパワーをもらうことができます。

Aileでご縁ができた吉田和歌子さんと

−パラレルキャリアを志す女性にメッセージをお願いします。

今回のインタビューを機に、自分のキャリアを振り返って気づいたことがあります。それは「目の前のことに“楽しみながら”取り組んでいたら、自然とチャンスはやってくる」ということ。「好き!」「楽しい!」という感情は大きなパワーを持っているのでしょうね。

逆に「〇〇しなきゃ!」と考えてしまうと、頑張っているのに結果が全く伴わなかったりします。そんなときは焦らず「そもそも私はなぜパラレルキャリアを始めようと思ったの?」と自分に問いかけてみるのもオススメです。

私自身、まだ自分の働き方を模索している段階です。このまま会社勤めを続けるのか、「好き」「楽しい」の種をどのようにして育て、形にしていくか。”正解”がある訳ではないので大変ですが、Aileには「自分のキャリアは自分でつくる!」と決めてチャレンジしている仲間がたくさんいます。「こんなことやってみたい!」と声をあげれば、きっと誰かが反応してくれるはず。ぜひ一緒にチャレンジしてみませんか。

ご自身の苦い経験や後悔がパラレルキャリアを歩むきっかけになったといういずみさん。そんないずみさんのお話しは私たちにとって、「どんな経験も無駄にはならない!」と励みになります。自分自身のキャリアに関して疑問や不安を感じたら……。ぜひいずみさんのコラムに目を通してみてください。きっと何かヒントが見つかるはずです。

Interviewed and written by Naoko Udagawa

▼過去のコラムはこちらからご覧いただけます。
Aile通信Web版 http://aile-official.co.jp/media/

投稿者プロフィール

山下いずみ
山下いずみキャリアコンサルタント
『働くことは生きること』
人材エージェントで「企業」と「人」を繋ぐコーディネーターとして20年勤務、3000人以上の転職支援に携わる。
一方、個人では
「転職しなくてもいい」キャリア相談を実施中。
~しなきゃ、すべきの「正解思考」で頑張るアラフォー女性が、「~したい、しよう!」と自分の直感や可能性を信じて一歩踏み出せるようになることを目的にセッションを行っている。
1974年9月生まれ/神奈川県横浜市出身
趣味は野球観戦!待望のプロ野球も開幕、地元横浜DeNAベイスターズの優勝を願い、熱い声援を送る日々を過ごしている♪
パラレルキャリア専門エール通信

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