子育て部門 マインドライターの塗木望です。
アドラー心理学をベースに子育てが楽に楽しくなる考え方として、今回は「課題の分離」についてお話しします。
これまで多くのワーママのお悩みを聞いてきましたが、その中でダントツに多いのが「子供に手がかかって大変」というもの。乳幼児であれば着替えや身の回りのお世話ですが、学童期になるとそれに加えて勉強をサポートしたり、人間関係や兄弟げんかに頭を悩ませたり。親として子供が健やかに成長できるよう頑張る姿には頭が下がります。でもこれではいつまでたってもママは大変!そんな育児を楽にするのがアドラー心理学の「課題の分離」という考え方です。
子供の忘れ物、勉強、明日のプレゼンに向けた資料作り、今日の夜ご飯、兄弟げんか……日常には解決すべき課題が溢れています。でもこれらは「誰の課題か」「本来誰がやるべきことか」という視点で考えて、自分の課題と子供の課題を分離してみましょう。ここで言えば、子供の忘れ物、勉強、兄弟げんかは「子供の課題」。明日のプレゼンに向けた資料作り、今日の夜ご飯は「ママの課題」ですね。そしてこのように課題を分けたら、ママは子供の課題には介入せず自分の課題に集中すればいいのです。
こんな風に書くと、アドラー子育てを放任主義のように感じてしまうかもしれません。けれど、親は子供が今どんな課題を持っているか、何をしているか知った上で、「子供には自分で課題を解決できるチカラがある」と信じて見守るので、放任ではありません。もちろん子供から「手伝ってほしい」と相談されたときには、いつでもサポートするつもりでドアを開けておきます。
大切なことは前回のコラムでもお伝えした、「子供が持つ力を信じて、十分に発揮できるようにサポートしていく。横の関係で接していく。」というマインドです。
1つ、課題の分離の例をお話します。
ある朝、私が洗面所で化粧をしているとリビングの方で兄弟げんかが勃発しました。同じブロックを使ってそれぞれ作品を作っていたところ、次男が使いたかったパーツを長男が取って譲らず、喧嘩になったようなのです。朝の兄弟げんか……時間のない時に本当にやめて欲しいですよね(笑)。
次男が泣きながら訴えに来ましたが、兄弟げんかは子どもたちの課題。私は次男を慰めはしましたが、流血沙汰にならない限りはなんとかなるだろうと、特に介入せずに見守りに徹しました。
すると……泣き止んだ次男が、ブロックの別のパーツを使って工夫しながら作品を作り始めたのです。そして、長男は次男のために丁度良さそうなパーツを探してあげ、2人で協力して作品を作り上げました。
もし私が次男が訴えに来た段階で介入していたらどうだったでしょうか。次男が諦めずに創意工夫することはなかったでしょう。長男は次男に協力する優しさを発揮することもなかったでしょう。親が介入しないことが、逆に子どもたちのチカラを伸ばすことに繋がったのです。しかも私はその間に化粧を終えて、時間通り家から出発することができました。
こんな風に子供のチカラを伸ばすことができ、私も楽でステキな方法が「課題の分離」なんです。少し難しいかもしれませんが、お分かりいただけたでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
不明点や、もっとこんな話が聞きたい!という方は、ぜひコメントなどいただけると嬉しいです!
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