相続財産の把握の仕方

こんにちは!
教養部門 お金部門(相続)ライターの有賀郁子です。
いつもお読みいただきありがとうございます。今回は”ご両親が亡くなり相続を受けることになったものの、遺言書・財産目録・エンディングノートなどがなく、あなたが全てを把握しなくてはならなくなった時”についてお伝えしたいと思います。

こうしたシチュエーションになってしまった場合、相続税にも影響しますので早めに行動することが大切。まず、故人の通帳や証券会社や保険会社から送られてくる「お知らせ」といった郵便物から、どんな金融資産を持っていたのか把握しましょう。自宅に金庫があれば開けて中身を確認しなくてはなりませんし、今はパソコンに資産の情報が保存されていることも多いですね。金庫の開け方やパソコンのパスワードを調べるだけでも一苦労だと思います。

不動産については、毎年郵送されてくる「固定資産税通知書」を確認するか、土地の「登記済権利証」を見つけましょう。これらが金庫に保管されている場合もあります。法務局で「登記事項証明書」を取得すれば、その土地が亡くなったご両親名義であるかを確認できます。時々、「相続で土地を譲り受けたけれど、故人の兄弟と共同名義になっていた」といった場合もあります。ご両親から生前「山を所有している」と聞いていた場合は、市役所の税務課に行き「名寄せ帳」を取得して詳細を確認しましょう。

ご両親が銀行の貸金庫を借りていたら、その開示と解約も必要。貸金庫を本人以外が開示・解約する手続きは複雑ですので、今回は省略します。その他にも車や宝飾品、絵画、骨とう品など、資産価値のあるものは様々。

遺産には上記のようなプラスの資産だけでなく、マイナスの資産もあります。例えば未払いのローンやクレジット、個人的な借金、損害賠償の債務、未納の税金など。

これらを一覧表にしてみると、今後の遺産分割協議書を作るときや、相続税の申請時に助かります。お葬式や墓地の費用、埋葬料、生命保険金などは相続財産とは見なされませんが、一覧表には入れておくと良いですね。

資産を把握するための作業は、ご両親の知らなかった部分を知り、ご両親の人生を振り返るきっかけに。作業は骨が折れる大変なものですが、ご両親との最後の交流時間として大切にしましょう。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

投稿者プロフィール

有賀郁子
有賀郁子合同会社インクリースオフィス代表者/ファイナンシャルプランナー&相続士
37歳の時、父の病をきっかけに、地元長野県に帰る。父の介護と他界、そこで遺されたお金を母の生活費のために運用しようとするが、リーマンショックもあり失敗。同時に失業で収入を失い、住宅ローンを抱えるという3重苦。
お金のことを知らなかった、だから失ってしまった。そして当時は誰にも聞けなかった経験から、私があの時会いたかったアドバイザーになることを決意し、9年目になります。
1967年4月生まれ。長野県諏訪市在住
セミナーやウェビナーを通して、今の時代の資産形成を「貯蓄セミナー」として伝え、資産を守り賢く引き継ぐために相続を円滑円満にするための相続セミナーも好評です。
パラレルキャリア専門エール通信

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