幼児から中学生にまで(いや、大人にも)響く食育絵本「いのちをいただく」

ヘルスケア部門 食育ライターの黒やなぎ桂子です。
今回は、絵本の紹介をさせていただきます。

私がこちらの絵本を知ったのは10年以上前のことです。当時はまだ幼い娘たちを連れて子どもクッキングを開催したり、幼稚園や小学校で食育講演をしたりしていました。食育に関する情報を検索していたところ、この絵本が中学生の道徳の教材になっていると知り、早速購入したのです。

この絵本の副題は、「みいちゃんがお肉になる日」。食肉加工センターに勤める坂本さんが体験した実話がもとになっているお話しで、まさに私たちは命あるものをいただいているのだなぁとしみじみ感じさせられる内容です。「この絵本を読み聞かせた娘が、食事を残さなくなりました」「授業で使ったのですが、泣く子がいました」そんな感想が寄せられる絵本です。

初版本は白黒デッサン風のイラストですが、その後カラーでかわいらしいイラストタイプの絵本も出ています。幼児にはカラー版がおすすめですが、小学校高学年から中学生、大人なら初版タイプの方が武骨な感じのイラストが余計に想像力を高めてよい気がします。2009年初版で現在までの発行部数は10万部を超えているそうです。ここで内容を詳しく書くことは控えますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

ところで、我が家の長女は鶏の食肉加工業の会社に勤めていました。彼女が「牛の解体をしたい」と言ったとき、少し驚きましたが、この絵本が原点でした。今は屠畜(とちく)とか屠殺(とさつ)といった言葉は使わず、食肉加工業と称されていますが、昔から偏見や差別が存在する業種です。「私が食肉加工業に就職したら、ママは迷惑かなぁ」彼女はそう言いましたが、私はもちろん彼女の意思を尊重しました。学生時代に肉牛の飼育をし、牛愛の強い彼女は、「牛たちが家畜として生まれてきたからには、お肉になるまで私が責任持ちたい」と。その言葉がすごく刺さり、感動しました。

その後、一緒に食肉加工場に見学に行きました。見学ルートはとてもきれいで、牛や豚はすでに枝肉の状態になっていたため、生体を見る事はありませんでした。そのため、命を感じるようなことはなく、オートメーション化された食品工場のようでした。しかし、牛の解体は重労働で、小柄な彼女ではできないことも多いという事で、結局牛ではなく鶏に落ち着いたのですが(笑)。見学ルートには「指さししないでください」と書かれており、やはり現代でも差別が存在することを知らされました。

東京都中央卸売市場のホームページには、「残酷な豚殺し」「お前らに人権はない」といった手紙やインターネットへの書き込みが頻発していると書かれています。そういった書き込みをする人も、お肉を食べてると思うのですが、残念なことです。食品に限らず、その品物が手元に届くまでのストーリーを想像できる人に育ってほしいものです。

あ、この絵本、読み聞かせにとてもいいと思うのですが、その場合は覚悟して読んでください。気軽に読み聞かせ教材にしてしまった私は、児童たちの前で涙腺崩壊しかけましたので…(^^;

パラレルキャリア専門エール通信

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