給食当番の体験を機に食育を家庭でも

ヘルスケア部門 食育ライターの黒やなぎ桂子です。
新年度を迎えてから2週間が経ちました。小学校に入学したばかりのお子さんですと、そろそろ給食が始まる頃ですね。

時間内に食べれらるかしら…。
食べられないものが多いけど…。
食物アレルギーがあるから…。
など、お子さんの「食」について心配なママさんもいらっしゃることでしょう。

日本の学校給食は世界からも注目されています。栄養面や経済性はもちろんですが、特に驚かれるのは「自分たちで給食を準備し、片付けまでを行うこと」です。これらの作業を低学年が行うのは大変で、指導する担任にも負担になります。

私は10年前まで学校栄養士をしていました。新1年生の場合は4時間目を早めに切り上げて準備を始め、私も運搬や配膳を手伝ったり、指導したりしたものです。
親の立場では、献立表に書かれたメニューや食材、栄養価などの情報など、給食の内容に目が行きがちです。しかし、私は「自分たちで準備や片付けをしていること」にもっと関心を持ってほしいところです。なぜなら、給食の時間はいろいろなことが学べるからです。

  • みんなで協力したから早く配れた。(協調性が身につく)
  • 違う方法でやったら上手くできた。(創意工夫をする)
  • 何度もやっていたらきれいに配れた。(反復練習)
  • 時間内に片付けられるようになった。(達成感を得る)
  • ごはん係の次はおかず係をやりたいな。(責任感や意欲)

単純に、「学校給食=お昼ご飯の時間」ではなく、「食育の時間」と言われるのはこのような学びがあるからです。お子さんと給食について話す機会があったら、内容を尋ねるだけでなく、準備や片付け、給食当番さんの作業やクラスの協力体制についても話題にしてみてください。よいと感じたことはほめて、工夫すべきところはアドバイスしてはいかがでしょう。「うちでも給食当番やってほしいなぁ」と言って、気持ちよくお手伝いをしてくれるようになると働くママにとってはうれしいはずです。

私が初めて「食育」という言葉に出会ったのは、今から30年ほど前のことです。2005年に食育基本法が成立してからは一気に広まりました。食育を意識して二人の娘を育ててきた結果、帰宅すれば夕食ができていたり、朝はお弁当ができていたり、働くママにとっては充分過ぎる助っ人になりました。

子どもに料理の手伝いをさせるなら、年長さんから小学校低学年のうちがオススメです。高学年になると塾や部活で忙しくなり、子ども自身が持つ「食」への興味関心も薄れていってしまうからです。キッチンに邪魔しに来る時期がちょうどいいのです。子どもがキッチンに来ると煩わしい。家事がはかどらなくてイライラする。そんな声も聞かれます。そこは、ぜひ長期的計画をもって堪えてほしいところです。

パラレルキャリア専門エール通信

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