美・健康部門 漢方と食ライター たかぎなおこです。
めっきり寒くなり、ダウンジャケットや手袋が必需品の季節となりました。冬は寒さと乾燥の季節でもありますね。
突然ですが、皆さんはこんな言葉聞いたことありますか?
「陰きわまれば陽を生ず」
これは寒くなる時期にしっかりと陰(潤いをもった滋養成分)を補っておかないと、暖かくなる春先に陽(エネルギー)が足りなくなり、不調があらわれやすくなるという古来の教えです。(陰と陽に関しては前回のコラムでご紹介しています。)今この冬の時期にしっかり養生することが大切です。
乾燥対策
空気の乾燥は呼吸するだけでも体内の潤いを奪い、乾燥させます。加湿器、マスクなどによる対策に加え、潤いを補う効果がある食材を摂るようにしましょう。
─ 潤いを補う効果がある食材 ─
長芋、里芋、キクラゲ、黒い食べ物、白い食べ物、もち米、きのこ、エビ、牡蠣、ハチミツ、りんご、オリーブオイル、等
もち米はこの季節に食べる食材として適しています。唐辛子は発汗を促してくれますが、陰(潤い)を損ねてしまうので適量摂取がオススメです。
冷え対策
中医学では血も油のような特性を持っていると考えられていて、寒さと乾燥でドロっとした状態=オケツ(ドロドロ血)になりやすいと言われています。血は気の巡りにも密接に関係しているので、影響を与えてしまいます。ぜひ体を温める食材を意識的に摂るようにしましょう。
─ 体を温める効果がある食材 ─
鮭、エビ、サバ、鶏肉、牛肉、玉ねぎ、ネギ、ニンニク、しょうが、栗、らっきょう、シソ、かぼちゃ、シナモン、もち米、米麹、日本酒、等
乾燥対策と冷え対策の食材をご紹介しましたが、共通して出てきたものがありましたね。そうです!もち米とエビです。これらの食材は乾燥と冷えの両方に有効で、一石二鳥な食材です。
ところで冬になると風邪を引く方が増えると思いますが、風邪にも種類があるのをご存知ですか? 冬にもらいやすい風邪には「寒邪(かんじゃ)」と「燥邪(そうじゃ)」があります。「寒邪」は冷え、体の熱を奪うものが体内に侵入するものです。この時には体を温め寒気を取り除くことで治します。「燥邪」は乾燥した空気が体内に侵入するものです。この時には体を潤し乾燥を取り除くことで治します。
ただ、皆さんの周りにも「風邪をひかない人」っていませんか?
風邪を引かない人は他の人と何が違うのでしょう…
一般的には免疫力の違いだと言われますが、中医学ではこの差は「衛気(えき)の充実度」として考えます。「衛気」とは粘膜や体の表面をおおい、菌やウイルス、花粉、気温の変化などから体をまもってる、バリアのようなエネルギーです。血の巡りが滞るとこのバリアのようなエネルギー=「気」もパワ-ダウンしてしまいます。そうならないためにもぜひ紹介した食材を摂り入れてみてくださいね。
風邪、コロナを寄せつけないで素敵な2022年お迎えください。最後までお読み頂きありがとうございました。
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