お料理ライターの京田佳永子です。
勤務先で、私のデスクは窓際にぽつんとひとつ、
個室と会議室に囲まれた場所にあります。
お花が火曜まで持てば、
人目のないデスクの脇に椅子を引っ張ってきて、
うららかな陽光に舞う桜の花びらを眺めながら
コーヒーをいただこうと思います。
たまの役得。
私は甘党ではないのですが、
美味しいものは何だって試してみたいもの。
お茶のお稽古を始めた理由のひとつも「和菓子」でした。
今でも、お稽古に伺えば、
まず水屋をのぞいてその日のお菓子のチェックです。
高いお菓子(<=個人的には、たとえば「とらや」とルビをふる)は、
やっぱり美味しい。
お茶を始めて以来、国内旅行の目的に、
「地方の銘菓を試す」が加わりました。
百貨店の地下に行けば、老舗の出店はもちろん
「銘菓百選」や「名匠銘菓・米菓」コーナーに、
全国から取り寄せられた時季の和菓子が置かれ、
気づいたときには簡単に入手できるようになっていましたが
電車やバスを乗り継いて、地方の本店に伺い、
老舗の雰囲気を楽しみながらお土産を物色するのは、
地酒を試すのと同じくらいの重要なミッションです。
今は、スマホで簡単に調べられますが、
20年、30年前には、世界文化社のお茶人の友シリーズ、
『茶席の菓子』をバッグに忍ばせて出かけていました。
本の巻末に、県別のお店の住所リストがあるのでとても便利。
旅行にも取り寄せにも重宝でした。
本日ご紹介するのは「若草」。
松江の三大銘菓のひとつ。
日本三大銘菓は 越乃雪(長岡市) 長生殿(金沢市) 山川(松江市) の三つで、越乃雪は2月の和菓子としてもご紹介しました。
(以下、オンラインサロン限定公開)