牡蠣

今年も押し迫って参りました。
みなさま年末の予定は順調でしょうか。

私は、なにかと振り回された年末で、20年以上継続していた第九のチケットを取らず終い。第九はお正月でいいのですが、ちょっとだけ無念です。

さて、お節料理の準備はいかがでしょうか。
私は、2019年のお正月はお肉中心の中華お節を用意しました。
2020年は、今日から小旅行に出るため、実家に任せることにしたので、気楽な年末です。
この年末、お節の代わりに、繰り返し作ったのが牡蠣のオイル漬け。
12月中はお客様も多く、作っては消費の繰り返し。
好き嫌いの分かれる牡蠣ですが、幸い今年は不得手のお客様はいらっしゃいませんでした。

好き嫌いとは別で、好きだけど食べられない、食べたいけど食べられない、そうおっしゃる方も少なくないのが牡蠣。
一度牡蠣にあたって体調を崩すと、あまりの苦しさに、手を出せなくなる方が多いようです。

* 生ガキ食べますか?

その前に、牡蠣の旬ですが、牡蠣(真牡蠣)の旬は冬。
Rのつく月、9月から4月です。
RがMつかない、May June July August の夏場は産卵期で栄養が取られ美味しくないので「Rの付かない月には食べるな」と言います。

岩牡蠣は逆に夏が旬です。
牡蠣料理にもいろいろありますが、私の場合「牡蠣を食べに行こう」と誘い合う時の目的は生ガキです。

生ガキの醍醐味はのど越し。食べ放題プランを探しては30個くらいツルツル飲み込みます。
生の魚介をお刺身としていただく日本食ですが、生ガキ文化は輸入。
フランスを始めとする西欧食文化を真似て始まりました。

オイスターバーに行くと、お刺身につきもののワサビ醤油ではなく、レモンやタバスコが添えられます。
もちろん、ポン酢や紅葉おろしもありますが。

市販の牡蠣には「生食用」「加熱用」の表示がありますね。生ガキで食べられるかどうかは、鮮度ではなく海域の違いです。
生ガキ仲間が、それを知らず、消費期限だけを見て自宅で「レモンを搾って食べた。美味しかった」と報告してきたときには、他人事ながら慌てましたが、無事でした。

生ガキにするなら、必ず「生食用」を召し上がってください。私自身は、自宅では加熱したもののみをいただくことにしています。

広島の漁師さんから「生食用」を取り寄せていたこともあるのですが、ノロウイルスが大流行した年に「生食用の漁場から採れたものだけど、自然のものに絶対はないと思った方がいい。加熱を勧める」と忠告されて以来 大事を取っています。
生ガキ大好きなので、万が一にもあたって、それ以降食べられなくなる、などの憂き目にあわないように。

* 焼き牡蠣なら安心?

牡蠣好きの方の中には「加熱用のほうが断然美味しい」とおっしゃる方もあります。
「貝毒を吐かせるたびに、身が縮まり、旨みも減るから」だそうです。

そう。食あたりは、ノロウイルスだけでなく、牡蠣がプランクトンなどから取り込む、貝毒が原因となることもあります。
そして、この貝毒は加熱では防げません。

ですので、牡蠣を食べるときは、生でも、加熱済でも、「もしかしたら、今日が最後かも」と若干の覚悟を持って臨みます。

* 牡蠣のオイル漬け

我が家のオイル漬けの味付けはごく少量のオイスターソースのみ。
底の広いプライパンで、牡蠣の水分が完全になくなるまで炒り、好みのハーブや潰したにんにく、鷹の爪などの思いますスパイスと一緒にオリーブオイルに漬け込むだけ。
簡単なうえに、牡蠣の旨味が凝縮されてとても美味しいので是非おためしを。
冷蔵庫で数週間保存できます。
1月からの執筆に一区切り。
1年間、毎週おつきあいいただきありがとうございました。

皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

投稿者プロフィール

京田佳永子
京田佳永子クッキング・スペシャリスト
茶道歴30年、秘書歴25年、ホームパーティ歴15年。美味しいものに本気で取り組む外資系企業社長秘書。パラレルキャリアでおもてなし料理教室を主宰。
パラレルキャリア専門エール通信

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