馬場佳奈子

「Aile Award(エールアワード)」とは?
パラレルキャリア推進委員会が主催する「Aile Award」は、ビジネスと社会性の両面において優れたアイデアや活躍を称える表彰制度です。
このアワードは、2025年3月に開催された国際女性デー記念イベントの一環として実施され、「わたしらしく、社会で活躍するパラレルキャリア」をテーマに、多様なキャリアを通じて社会に貢献する方々を表彰しました。
審査には総勢70名の審査員が参加。実績だけでなく、挑戦する姿勢や想いといった観点からも多角的に評価を行いました。また、特別賞として、社会性・事業性において特に優れ、代表・美宝れいこが最も共感した方に贈られる「美宝れいこ賞」も設けられています。
本インタビューでは、受賞者一人ひとりのアワードへの想いと、これからの挑戦に迫ります!
高齢者が好きな時間、好きな仕事を選べる未来へ
『小さなありがとう』アプリ

優勝者:馬場佳奈子
高齢社会のライフプランナー(になる!)
SNS:note
今回のピッチで発表されたサービスを、改めて簡単にご紹介ください。
私は、人生100年時代に向けて「小さなありがとうを集めるアプリ」を開発し、高齢者が無理なく、楽しく働き続けられる社会を実現したいと考えています。 現在、平均寿命・健康寿命が延び、70代以降も働きたいと希望する人が増えています。しかし実際には、高齢者向けの就労機会は十分に整備されておらず、選択肢も限られているのが現状です。このままでは超高齢社会の中で、社会保障制度にも大きな負担がかかり、安心して暮らし続ける未来が危ぶまれます。
私は、母を支える中で、高齢期の就労に伴う課題を実感しました。自身もまた、将来に備えて、誰もが年齢を重ねても楽しく働き続けられる仕組みを作りたいと強く思うようになりました。 そこで、「小さなありがとうを集めるアプリ」では、短時間・軽作業の仕事を体調や気分に合わせて気軽に選び、地域社会とのつながりを感じながら働けるプラットフォームを目指します。
仕事の例として、ケーキ屋のクッキー詰めやギフトボックスの組み立て、繁忙期限定の内職作業など、無理なく楽しめる作業を想定しています。 また、安心して仕事を依頼・受注できるよう、アプリ内での契約や評価制度を設け、働く人と雇う側、双方が信頼関係を築ける仕組みも整えます。 この取り組みは、高齢者自身が自立して生き生きと働く未来をつくるだけでなく、若い世代にとっても、持続可能な社会保障制度を支える大きな力となります。
今、40代の私たちが未来に向けた準備を始めることが、10年後、20年後、そして30年後も笑顔で働き続ける世界につながると信じています。 この未来を一緒に形にしてくださる仲間との出会いを楽しみにしています。
このサービスを立ち上げようと思った“きっかけ”は何ですか?
私がこの事業を立ち上げようと考えたきっかけは、母の働く姿を間近で見たことです。 生活費を支えるため、体力的に厳しいパートを続ける母。しかし精一杯働いても、得られる収入は月に5~6万円程度。年齢とともに働き方に無理が出る姿に、強い課題意識を持ちました。 また、仕事を通じて地域社会に貢献したいと考える高齢者が増えている一方で、彼らが無理なく取り組める仕事の選択肢が不足しているという社会課題も感じました。 私自身も「何歳になっても楽しく働き続けたい」という想いがあり、高齢期にも自分らしく働き、誰かに感謝されながら生きる未来を実現したいと考えるようになりました。
ピッチではどのような点を最も伝えたかったですか?
高齢者が楽しく働き続けられる環境を整えることが、本人たちの生きがいだけでなく、社会全体を持続可能にする力になる。その未来を、今から準備したい。
他のサービスとの違いや、あなたのサービスならではの強みは?
高齢者が体調や気力に合わせて、短時間・軽作業を選びながら働ける柔軟な設計が特徴です。収入だけでなく、地域とのつながりや貢献感を重視し、働く側・雇う側双方にとって安心して関われる仕組みを目指します。
今回、なぜエールアワードにエントリーしようと思ったのですか?
エールで学んできたことがきっかけで生まれた、自分の事業アイデアを多くの人に知ってもらい、フィードバックを得ることで、事業計画を一歩前に進めたかったため。また、直感的に挑戦すべきタイミングだと感じたため。
ピッチに向けて、特に力を入れた準備はどんなことでしたか?
自分自身の原体験と社会課題を結びつけ、「将来本当に実現したい未来」を言語化することに力を入れました。また、ビジネスコンクールなどに挑戦しながら、事業計画のアウトラインを練り上げてきました。
受賞の瞬間、どんなお気持ちでしたか?
受賞の瞬間、思わず涙が溢れました。
自分の想いが、想像以上にたくさんの方に共感してもらえたことが伝わってきて、胸がいっぱいになりました。これまで大切に温めてきた想いに、背中を押してもらえたような気持ちです。これからこの未来を、本当に形にしていきたいと、強く決意しました。
今後、このサービスをどう育てていきたいですか?
今後は、まず起業ゼミへの参加を通じて、事業計画をさらにブラッシュアップしていきたいと考えています。
また、6月にはフィンランドへの視察旅行を予定しており、高齢社会に向き合う先進事例や現地の取り組みから、実践的なヒントを得たいと思っています。こうした学びを重ねながら、まずは地元のシルバーセンターや、介護施設の方々のお話を聴いて、課題を抽出し、小規模な実証を行い、「小さなありがとう」が自然に行き交う温かいコミュニティを育てていきたいと考えます。将来的には地域から全国へと広げ、年齢を重ねても自分らしく楽しく働き続けられる未来を、仲間と共に実現していきたいです。
今回のチャレンジを通して得られた学びや気づきがあれば教えてください。
今回のチャレンジを通して、自分の想いを言葉にして伝えれば、想像以上に多くの方に共感してもらえることを実感しました。できるかできないかを一旦脇に置いてでも、自分自身が心から実現したい未来を描き、踏み出すことの大切さにも気づきました。
そして、挑戦することで新たな仲間や応援してくれる人とつながる喜びも得ることができました。
これから挑戦したい方に向けて、メッセージをお願いします!
できるかできないかは一旦おいて、「こうなったらいいな」と思う未来を、まずは描いてみませんか。その想いは、思った以上に誰かの心にも届いて、「私にもできることがあるかもしれない」と思ってもらえるかもしれません。
私はまだ一歩踏み出したばかりです。ただ、描いた未来に向かって一歩踏み出すと、世界が少しずつ動き始めるのを感じます。
想いを言語化することが、未来を変える一歩になると信じています。
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