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- 憧れの女性リーダー[ 羽生祥子 ]
─ April 2020
羽生 祥子
株式会社日経BP
日経xwoman総編集長、日経doors編集長、日経DUAL・日経ARIA創刊編集長
京都大学卒業。編集工学研究所で松岡正剛に師事し「千夜千冊」等に関わる。2005年現日経BP社入社。12年「日経マネー」副編集長。13年「日経DUAL」創刊編集長に。19年「日経xwoman」総編集長、「日経doors」編集長。15年、19年内閣府少子化対策大綱有識者、16年~厚生労働省イクメンプロジェクト委員、19年東京都「子育て応援とうきょう会議」構成委員。昭和女子大キャリアデザイン講師、TV・ラジオ・セミナー等に出演。
羽生さんの主な仕事内容を教えていただけますか?
1年前に「日経xwoman」を立ち上げて総編集長をしています。他にも「日経doors」「日経ARIA」「日経DUAL」「ecomon」の編集を指揮しています。雑誌によってはゲラのチェックからロケハン、インタビュー、スポンサー獲得、イベント挨拶、収支管理などもやります。プラス最近は内部の媒体に紙の月刊誌「日経WOMAN」も加わりました。
「日経DUAL」創刊以来、公務が増えてきて、パラレルキャリア的に内閣府、厚生労働省、東京都、京都市の仕事もしています。他にも4つの大学でゲスト講師をしています。本業だけでなくエネルギーの1/3はこういった公務にあてて、日経グループという組織に頼り切らない個人の力を磨いています。とはいえ公務は会社にもメリットになるように行動しなければなりませんよね。なので入念にコミュニケーションを取って、今のポジションを築きました(笑)。
同時に、次の人が続きやすいように働いています。そうじゃないとアラフォー世代で、書けて話せる人が会社から離れてしまいます。本業とパラレルの両エンジンで頑張るからこそ、見てくれる人もいますからね。
リーダーになるまでの経緯と会社から評価を得たポイントは?
編集の仕事は、小学生から変わらない夢で、ずっと目指してきましたが大学で就職活動がうまくいかなくて、フリーランス、契約社員と渡り歩き、旧日経ホーム出版社(日経BPの前身)にフリーライターとして入りました。そこで「日経WOMAN」の編集長から「Brava!」創刊チームに誘われて27歳で契約社員、28歳で正社員となり、「日経マネー」の記者になりました。フリーランスで入って正社員になったのは、私が初めてだったようです。その間にプライベートでも、結婚や出産を経験しました。
35歳の時、「日経マネー」で最年少の副編集長になりました。第二子出産復帰後に、デスクとして年齢もだいぶ上の男性記者の記事に全て赤字を入れたり、ヒット企画のキャップをしたり。ものすごい仕事量でしたが、それが実績として認められたのだと思います。
また、2010年から日本経済新聞社の電子版と併走することになり、日経マネーの記事を出稿する扉をこじ開けることができました。そこで私の記事が年間第1位(電子版)になって、社長賞をもらったことも評価につながりました。会社ですから、稼ぎ(売り上げを出すこと)と勤め(社会的な役割を果たすこと)の両輪が大事ですね。軌道にのったらすぐ後任育成をしています。新しいポジションは自分でつくります。会社は、経済合理性があれば、NOとは言わないのでいい会社です(笑)。
挫折や失敗経験はありますか?
20代が一番辛かったです。今でこそフリーランス、第二新卒という言葉がありますが、当時はまだその概念もなかったので、社会のレールから外れたことになってしまいました。20代の多くの方は、将来自分が何者になれるのか不安だと思います。私の場合は、全ての沼という沼に肩まで浸かった感じ(笑)。貧困だったし、パン屋でパンの耳をもらって食べていたし、調理は会社の給湯室を借りたり、ものすごく苦しかったです。「もう、死んじゃいたい・・・」と思った事もありましたよ(笑)。
どうやって乗り越えましたか?
「始めから順調で将来も約束されているような人達には絶対できないことを先取りしてやろう」と思っていました。お金にならなくても編集の仕事があれば、ありとあらゆるものをやりました。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、WEB、全て。若さもあり睡眠は2時間の日も。今は流行りませんが(笑)。紙媒体だけやってもすぐに時代遅れになると予感し、デジタルからリアルまで、自分から積極的に新しい仕事をもらってがむしゃらに、かつ、戦略的に動きました。
協力してもらう秘訣と、リーダーとして大切にしていることは?
最初はチームビルディングも下手でしたが、成長できたのは自分で創刊した「DUAL」の時ですね。「日経マネー」の副編集長と兼務で本当に大変でした(笑)。人も予算もなかった・・・
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