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─ July 2019

パラキャリウーマンの中根愛さんが在籍するダイヤモンドメディア株式会社の関戸翔太さんに、パラレルキャリアの取り組みや実践するスタッフの応援についてお話を伺いました。

複業を解禁したわけではありません

当社は、創業当初から副業OKだったので、「複業解禁」というわけではありませんでした。そのため、複業が原因となった問題が特別に起こったことはありませんが、あえていうなら、複業をする人が本業とのバランスに苦労していそうだな、と思ったことは多々あります。

基本的に全て自己責任のもとで成り立っているので、そうしたときに僕たちがケアできることはほとんどないんですよ。結局最終的には「本人の責任感」と「やりたいこと」に依存していってしまいます。社風として、個人の考えを最大限に尊重する、というスタイルでやってきているがゆえに本人の成長に任せるしかなくなるという状況はこれまでにも何度かありましたね。

これは副業だけでなく、リモートワークなどでも同様だと思います。複業に関する取り組みも特に何も行なっていません。仕組みについても、仕組みらしい仕組みはなく、ただ「制限しない」ことが決まっているだけです。また、ルールや禁止事項も特にありません。「仕事、頑張ってね!」というくらいでしょうか(笑)。

複業解禁で得られるメリットは多いです

複業を解禁することで、企業側が得られるメリットはたくさんあります。複業を実践している人は、優秀な人だと思いますし、その優秀な人の邪魔をしたくない、また、そういう人の集まる場にしたいと考えます。会社の外にも成長の機会はあるし、複業によって成長の機会損失を防ぐことができます。企業側のデメリットとしては、バランスを崩した時に、本業のバランスも崩れていくこと、帰属意識が下がる可能性があること、です。

個人としては、複業をすることで自己実現が達成しやすいし、自分で人生の幅を選択できます。会社に依存する部分を減らせるから、自立しやすいと思います。個人の場合は、デメリットとして気が散ったり、自分を見つめすぎてしまい、目の前のことに集中できず考えすぎてしまい、それが、かえって成長の妨げになったりするかもしれません。

個人パフォーマンスの最大化が売上利益につながる

当社は創業時から、個人のパフォーマンスの最大化が、会社の売上利益の最大化につながる、という仮説のもと、複業を認めています。今、複解禁を考えているけど、なかなかふみ出せない企業さんもあると思います。複業を認めるかどうかは、それぞれ企業の文化だと思いますし、複業解禁を必ずした方がいいとは思っていません。

企業によって、やりたくない理由や取り組みたくない理由はあると思うので、その部分は大切にしてもいいのではないかと思います。まだ準備ができていないなら、無理はしないほうがいいかもしれません。

複業解禁を検討している企業へエール

もし複業をOKにするなら、複業に関する報告の義務をなくすのがおすすめです。何をやってるか、どれくらいやってるかを知らないくらいがちょうどいい。例えば、複業可、と採用ページに書くだけ、とか。

最悪なのは、個人の複業を本業の企業の人が管理したくなってしまうこと。「本業に身が入っていないんじゃないか」とか、「君はこういう複業をするといいよ」とか、首を突っ込みたがる人が出てくるのは絶対に阻止した方がいいですね。

当社における「複業についての考え方」の中で、個人的に気に入っているところは、社員同士がお互いに他の社員の副業に、余計な関心を持ちすぎていないこと、だと思ってるんです。どんな複業をしているのか、聞かれれば複業している人は答えますが、それを聞く人もそんなにいない、というところがいい効果を生んでいると思います。

関戸 翔太(せきど しょうた)
ダイヤモンドメディア株式会社

パラレルキャリア専門エール通信