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輝く女性 PICK UP! 私の働き方改革
目の前のことをとことん突き詰めたら、“一生もの”のパラレルキャリアに

─ December 2021

携帯電話などの無線通信サービスを展開するソフトバンク株式会社でパラレルキャリアを実践している杉村亜矢さんに、複業について詳しくお話を伺いました。

本業も副業も「一生もの」と思える大切な仕事

新卒からシステム開発の仕事に携わり、2005年にソフトバンク株式会社に転職。現在はテクノロジーユニットのプラットフォーム開発部で、国内通信業におけるシステム開発チームのマネージャーとして在籍しています。例えば、携帯電話の契約情報をお客様自身が確認できるシステムです。また、最近ではマネージャー業でふつふつと出てきた自分自身の悩みを解決したくて産業カウンセラーの勉強も始めました。

パラレルキャリアとしては、ヨガのインストラクターをしています。コロナ前はスタジオを借り、週末を利用して月に3〜4回クラスを開催していましたが今はほぼオンライン。友人やリピーターの方など、毎回5〜6名の生徒さんに画面越しで指導しています。どちらも「一生ものに出会っちゃった!」と思えるくらい、私にとって大切な仕事です。

副業解禁を知りすぐにヨガクラスを開講

私がヨガを始めたのは、体を壊したことがきっかけでした。当時の私はとにかく仕事が忙しくて、会社と自宅を往復するだけの毎日が続いていました。自分の体力も過信していて、遊ぶことにも一生懸命で慢性的に睡眠時間が足りていない時期でした。体も疲れますし、心も、元気だったり不調だったりを繰り返しているような状態に陥りました。「こんな生活は体にも精神的にも良くない」と思ったときに出会ったのがヨガでした。

その時たまたま目についたヨガインストラクターの資格を取得したのですが、現在のように指導するようになったのは副業が解禁したから。ヨガを長く続けたいと思う反面、スキルを維持・向上するためにはアウトプットする場が必要だなと考えていました。「それなら誰かに教えよう」とクラス開講を決め、インストラクター仲間や友人に声をかけるなど、すぐに行動を起こして活動を始めたのです。

メモ魔の私にぴったりな時間活用術

好きで始めたので大変と思ったことはありませんが、何と言っても時間が足りない!パラレルキャリアとして、同じ悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?私も日頃の業務をいかに効率的にこなすかをテーマに、時間の使い方を工夫しました。

その一つが、TODOリスト。「今日はこれだけやったら帰る!」と自分で時間割を決めて実行しています。一日のうちに何度もチェックしながら管理しているのは特徴的かもしれません。というのも、私はかなりのメモ魔。思いついたらすぐ言葉として書き出すことで頭も整理されてやるべきことが明確になり、それをこまめにチェックすることで柔軟に調整できるようになってきたように思います。

ベースになっているのは、『7つの習慣』(著:スティーブン・R・コヴィー博士)の4象限(※)。マネージャーになりたての頃は時間の使い方に苦労していたので、この4象限を参考に優先順位を決めタスク管理を行いました。今は頭の中でTODOを4象限にササっと配置できるようになったので、以前よりはスキルアップしたかな。

※第3の習慣「最優先事項を優先する」より「緊急で重要」「緊急でないが重要」「緊急だが重要でない」「緊急でも重要でもない」

本業・副業ではなく、どちらも「本業」

本業・副業と書くと、メイン・サブという感じに捉えがちですが、私にとってはどちらも「本業」。向き合うときは、本業であるシステム開発も、副業であるヨガのインストラクターも本気で取り組みます。「副業をやってるから手を抜いてるって思われたくない!」という気持ちも、ある意味モチベーションになっています(笑)。

実は最近、月に1〜2回程度、社員向けにヨガクラスを実施しています。そこでは、個人的に副業に対する質問を受けることもあります。また、「働くためには健康が大切」と思っている方や、女性の活躍推進を応援されている部署の方から、声をかけられたりメールをいただいたりすることもあります。

社内では、面識がない方からも「副業でヨガインストラクターをしている人」と周知され、コミュニケーションのきっかけになるなど、本業と副業が良い関係でつながり始めているのを感じています。ソフトバンクとしても副業解禁に力を入れているので、相乗効果があるのかも、と思い始めました。

目の前のことをとことん突き詰める

パラレルキャリアが「うまくいく秘訣」として私が考えているのは、目の前のことに真剣に取り組み、とことん突き詰め続けるということです。目の前のことには、「好きなこと・やりたいこと」だけではなく、目の前に現れた「課題」も含まれます。

私の場合は、「体調不良」という課題にぶち当たり、改善しようと考えたて行動したときにヨガと出会いました。真剣に取り組んでいると徐々にスキルが身に付き、さらに突き詰めることで自分のキャリアとしての道が拓けていきました。自分の悩みだったことが今に繋がってるのが分かりますね。

「副業に繋がればラッキー」きっかけは軽くてOK

もし、何から始めたらいいか分からないなら、何でもいいので気になったことを、まずやってみるのがおすすめです。やってみた結果、副業に繋がるほど夢中になれたらラッキー、くらいの感覚でOK!。やってみて、合わないと思えば辞めるという選択肢もあって良いと思います。

誰かに「やってみない?」と言われたことでも、「とりあえずやってみよう」という気持ちでチャレンジするようにしています。その中で自分がやりたいことが見つかったりするので、自分ではれないアンテナも人からもらいながら、それも楽しいですよ。

一見関係なさそうに思えても実はどこかで繋がっているということは多いので、仕事だけではなく自分の人生にも役に立ちます。様々な選択肢を持っていることは、これからの時代は必ず武器になるし、何より人生が豊かになると私は信じてます。

副業に踏み出したいなら立ち止まり、やってみる

「失敗するのが怖い」という気持ちもよく分かります。だけど、どんなこともやってみないと分からないんですよね(笑)。いつも忙しくて時間が無い人ほど、一度立ち止まって「自分はどうしたいのか」を考えてみてほしいなとも思います。そして直感でビビッときたら、それに従って行動を起こしてみてはいかがでしょう。

頭の中が仕事ばかりで「このまま会社と自宅を往復する生活は嫌だ」と思った私も、たまたま出会ったヨガから行動を起こして今に至ってますから。一歩でも踏み出せたら、やれることややりたいことが見つかると思いますよ。

杉村 亜矢(すぎむら あや)
ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット コーポレートIT本部 IT CoE統括部 プラットフォーム開発部 部長/ヨガインストラクター

パラレルキャリア専門エール通信