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輝く女性 PICK UP! 私の働き方改革
新しい経験や満足感が得られるのがパラレルキャリア

─ June 2021

商業デベロッパーとして小売業と不動産業のハイブリッド型ビジネスモデルを構築しビジネスを展開する株式会社パルコでパラレルキャリアを実践している安藤彩子さんに、複業について詳しくお話を伺いました。

3年前からパルコで勤務

現在、株式会社パルコのPARCO-SC事業グループデジタル推進部-業務部長として、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、アプリ・オンラインストア開発チーム、VRなどのデジタルコンテンツチーム、CRM(顧客関係管理)構築チームのマネジメントやマーケティングデータの分析などを行っています。また、CRM推進のためのPARCOポイントサービスや、「POCKET-PARCO」というアプリに搭載しているQR決済(パルコ館内で利用可)の仕組み作りとシステム管理も担当しています。

パルコに入社したのは3年前です。CRMをスペシャリティとしてキャリアを積んできました。今も、顧客分析、CRM戦略立案、ロイヤルティプログラムの構築、デジタルコミュニケーションなど、これまでの経験が活かせています。

パラキャリのきっかけは社外での繋がり

パラレルキャリアでは、これまでのCRM経験や専門的スキルが活かせるCRMプランナーとして、株式会社顧客時間と契約をしています。2年前にパルコが複業を解禁したことがきっかけで、パラレルキャリアをスタートしました。

以前から、色々な分野の方々と情報交換をしたい、という思いがあったので、社内だけではなく社外との繋がりも大切にしていました。株式会社顧客時間とも社外コミュニティでご縁があり、自分の専門領域CRMで、何かお手伝いができれば、と考えていました。複業解禁が決定した時は、最初の一人目として迷わず申請をしました。上司にも相談して、会社に報告を行い、ガイドラインに沿って本業とのバランスが取れるのであれば大丈夫、という言葉をいただき、応援してもらいました。

専門スキルをもっと広く活かしたい

CRM領域の仕事を始めて13年になります。この領域でキャリアを積んでいくことを決めて意識的に取り組んできました。これまで様々な会社で働く機会がありましたが、経験を重ねるに連れて、このCRMスキルをもっと広く活かしていきたい、と考えるようになりました。そのためには、本業はさらに極めながら、パラレルキャリアとして、これまでの知見を活かしていくことが、自分にとって最もバランスの良い働き方だと思いました。

複業先の株式会社顧客時間は、もともと親しくさせていただいている会社でしたので、パラレルキャリアで携わるにあたり、まずは先方とよく話し合うことから始めました。本業とのバランスをどう取っていくか、ということが中心でしたね。

やりたくて始めた複業を辞めようと悩んだ時期

パラレルキャリアを実践する中で一番苦労したことは、やはり時間の配分でした。当然ですが本業はこれまで通り全力で取り組んでいるので、なかなか複業に時間を割くことができず、自分の納得のいく形で複業できない時期が続いていました。やりたいのにできない、というジレンマに悩みましたね。このままでは相手に迷惑をかけてしまうかもしれないと、複業先との契約を解除することも考えました。

自分の中で最初に、どんなことがあっても「本業は絶対疎かにしない」ということは決めていましたし、複業も途中で投げ出すようなことはしたくなかったので、まず、自分の「感情」と「時間」の整理に取り組みました。その結果、「優先順位」を決めることが重要だという結論にたどり着き、複業はオファーが来た案件だけ全力を尽くす、というスタイルに切り替えました。現在は自分の余力の中でパラレルキャリアを行っています。

パラキャリ継続の秘訣

自分は「何のために」パラレルキャリアをしているのか、ということを見失わないように、常に気を付けています。もし「収入のため」だけに、複業を続けていくなら、心身のバランスを崩しやすくなると、私は思います。パラレルキャリアでは、本業で実現できないことを実現する、など、報酬以外のことで、自分の「目的」を明確にして向き合っていくことが重要ですね。

パラキャリを始めたことでプラスになったこと

パラレルキャリアを実践することで、本業だけでは得られなかった新しい経験を積むことができています。同時に、精神的にも、本業とは違う満足感を得られています。本業で培ったスキルを外部に活かすことは、結果として本業へのブラッシュアップにもつながっていくと思います。

いつもと同じ人や、慣れ親しんだ会社から離れて、外部の仕事に携わる機会が増えると、本業を客観的に見ることができたり、物事を柔軟に捉えることができたり、当たり前だと思っていたことを改めて見直せるようになったりします。

私の場合は、本業でも複業でも、同じCRMという領域なので、特に「客観視する」ということが、複業をする前に比べて容易になりました。例えば、複業先の業務を考える際に、「もしパルコに置き換えたとしたら、どうするだろうか?」など、あらゆる角度から考えることで、アプローチの幅が広がりました。

どうしたらいいかわからない時の考え方

今、自分がやりたいことがわからなくて、何から始めたらよいのか迷っている方には、3年後の自分を想像してみて欲しいですね。できる、できない、ではなく理想で構いません。想像した3年後の自分と、今の自分にギャップがあるなら、それを埋めるために必要なことが何か、一つずつ考えてみると良いですよ。私の場合は、もう少し時間をうまく使えるようになって、パラレルキャリアでも、もっと活躍したいと思っています。

パラレルキャリアを始めたい人へエール

私の周りでも、男女問わず、パラレルキャリアを選択している人が増えています。もし複業を始めるなら、自分のスタイルをつくっていきましょう!

本業でも複業でも、活躍している人を見ると、自分と比較して焦ってしまうことがありますよね。大切なのは、他人の状況ではなく、自分にとって一番いいバランスは何か、ということです。怖がる必要はありません。自分のバランスが崩れないように気を付けて挑戦してみてください。自分のスタイルは、行動することで築くことができるので、まずは一歩、踏み出してみることをお勧めします。

安藤 彩子(あんどう あやこ)
株式会社パルコ SC事業本部 デジタル推進部 業務部長/株式会社顧客時間 CRMプランナー

パラレルキャリア専門エール通信