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輝く女性 PICK UP! 私の働き方改革
ライフワークをパラレルキャリアに活かして

─ April 2020

奈良県生駒市役所で公務員として働きながらパラレルキャリアを実践している南愛さんに、パラレルキャリアで感じたことや実際の活動についてお話を伺いました。

本業での責任とやりがい

奈良県生駒市役所都市計画課に所属して丸6年になります。都市計画の業務全般に携わり、現在の中心業務は「都市計画マスタープラン」というものです。都市計画の方向性や方針を10年に1回見直していきます。1年後が改定の年なので追い込み中なんですよ。

今は(取材時)調査段階で、市役所から4000人の市民に対してまちの満足度や住まいに対する意見、働き方等のアンケートを取ってデータを精査しています。その他に、モデル地域を選定し地域の方と一緒に「今後地域をより良くする為には?」という話し合いや、人材発掘の企画にも携わっています。生駒市役所は規模がそう大きくないので、若くして仕事を任せされます。私はやりたい仕事の機会もいただいています。

ニッチを攻めたい

学生時代から都市再生や地域再生について学んでいました。それを活かすために、生駒市役所で就業しながら、プライベートで都市計画の研究活動を続けよう!と決めたのです。生駒市役所の中に同ジャンルの学術活動もしている人はいなかったので、ニッチな人材になれたら面白いなって(笑)。

ご縁があって、今の研究会に入りました。学生時代に研究していた奈良町(ならまち)が研究対象のひとつになっていて、フィールドワークや、スピンオフの研究会の代表もしました。そして、その研究をまとめた本を、著者の一人として出版しました。出版をきっかけに、謝礼をいただける講演や出版イベントのお話をいただくようになりました。イベントは、これまでに3回行っています。

パラレルキャリアで今取り組んでいること

今挑戦しているのは、新しく物件を借りて収益事業の成立を目指すことです。7名で取り組んでいるのですが、思いがけない事も起こるし、メンバー全員が副業だからこそ、停滞する時もあるんですよ。停滞した時には、丁寧にコミュニケーションをとるようにしています。本業よりも顔を合わせる頻度が少ないからこそ、仲間と腹を割って話すことが大事ですよね。

学生時代の経験を活かす

それを学んだのは学生時代です。商店街再生の研究をしていた時に、「モチベーションのマネジメントをするのが組織だよ」と教わりました。ある日、地元に帰ったらさびれていたはずの商店街に魅力的なお店が急増していたことがあり、商店街の方々の努力を知って「この人達のやる気は、どこからきたんやろ?」「人がモチベーションを感じて、共通の目的を達成する為に必要なことはなんやろ?」という切り口で分析しました。

その商店街に通い詰めていくうちに、商店街のおじさんに可愛がってもらえて、最終的には新年会や町内旅行に呼ばれる距離感で学ばせてもらいました。こんな風に、地域の再生をどうマネジメントしていくか、専門的に学んだ状態で社会人デビューしました。公務員としても役立つ専門性ですが、それ以前にただのまちづくりオタクなんです。楽しすぎて(笑)。

本業と並行してやる秘訣

今、働き手が足りていないのはどこも同じですよね。その中で周りの方々に、気持ちよく応援してもらえるかどうかは、大切なことです。周りへの感謝を忘れてはいけないと思います。そして、外で培ったキャリアを本業へ、できれば目の前の同僚へ還元することも、とても大事なことだと思っています。

パラレルキャリアのメリットとデメリット

メリットは、リスクを抑えながらやりたい仕事に挑戦できることです。本業で生活のためのお金をもらいながら、自分のビジネスに挑戦できます。また、キャリアを断やさずスキルアップが見込めますし、人脈も増やせます。そして、公務員プラスアルファという組み合わせによって、自分の希少価値があがって、組織内外でのチャンスが増えます。ワクワクする活動ならモチベーションアップもメリットですね。

デメリットは、繁忙期の重複などがコントロールしきれないことです。迷惑はかけられないので、時間のやりくりが大変ですね。

パラレルキャリアを始めたい方へのエール

高校生の頃、母に「たとえ1円でも、報酬をもらったなら、プロだと思って相手に接しなさい」と言われたことがあります。本業外でも大切にしている言葉ですが、最初から複業を考えていたわけではありません。私がやっていることは、趣味の延長なんですよ。人に説明する時に、わかりやすい職歴やスキルがなければ、パラレルキャリアは自分には遠いものと思う人がいるかもしれません。もしいるとしたら「そうじゃないよ」と言いたい。私が「そうじゃないケース」としてここでお話しさせていただくことが、誰かのお役に立てると思っています。

私の場合、学生時代に夢中になったことを卒業後も先輩に紹介された研究会で続けることができました。いつか本業で活かしたい思いもありましたが、つづけたのは好きだからです。そのうちに、それでお金をもらえるようになって、自分で事業をやってみたいとも思うようになったのです。だから、みなさんが考えるハードルも下げてみるといいかもしれません。「自分はこれがやりたい」とか「こういうことをやろうとしている」とか、ちゃんと言葉に出して伝えることも大事にしています。彼氏欲しいって言わない女の子を合コンに誘わないじゃないですか(笑)。言い続けたら、チャンスが来る確率が上がる(笑)。

お金じゃなくてもいいんです。人の役に立って、いつか自分のキャリアのプラスになる経験値なら何でもいいんですよ、きっと!自分の感覚に素直になって、一歩踏み出して、チャレンジしましょう!

南 愛(みなみ まな)
奈良県生駒市役所 都市計画課 計画係技師/出版、イベント開催、他

(取材・写真・記事 今西由季・下河内優子/校正 紺野さおり/編集 川越多江)

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