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INTERVIEWS

一流ビジネスマンから働く女性にエールを!

「つよみ」みを活かして、楽しく一歩ずつ。
その先に、自分が輝く時代がある!

─ August 2020

前野 隆司
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長

1962年生まれ。84年東工大卒。86年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、ハーバード大学客員教授、慶應義塾大学理工学部教授等を経て、現在、慶應義塾大学大学SDM研究科教授。博士(工学)。研究分野は、幸福学、幸福経営学など。


前野教授の主なお仕事、活動内容を教えてください

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科で教員をしています。研究分野はイノベーション教育で、ゼロから新しいものを作っていく創造性の教育です。ふたつめが幸福学。人の心に関わる問題や、心理学と工学を繋げる研究をしています。幸福学は、私の研究の中では約2割くらいを占めています。

幸福学について少し教えていただけますか?

心理学に、well-being(ウェルビーイング)という、人の心や幸せ、健康に関する分野があります。人はどうすれば幸せになれるのか、を心理学の観点から明らかにする学問です。それを応用して、人の心を幸せにする、というのがポジティブ心理学です。幸福学とは、職場づくり、街づくり、製品づくり、サービスづくりや教育といった基礎科学から応用科学までを含め、人々を幸せにするモノ・コトを考えることです。

個人として「幸福とは?」の答えはありますが、私の研究スタンスは統計学ベースです。最悪の人生を0点、最高の人生を10点だとすると、あなたは何点ですか?」という質問に対して高い点数で答える人を幸せ、低く答える人を不幸せ、と設定して分析するのが心理学のやり方です。

幸福学研究のきっかけは?

私は工学の研究者でもあり、モノづくりもしていました。カメラ製造の場合、重さ3キロ以内など、設計スペックが決まっています。それに基づきエンジニアは一生懸命カメラを作りますが、そこに「幸せ」は入っていません。カメラを使えば使うほど幸せになるという保証はないわけです。教育、職場、製品、サービス、すべてに当てはまります。例えば、結婚式場に行ったからといって、結婚する2人が「幸せになる」という設計にはなっていません。それなら「幸せ」というものを明確にした上で、カメラの設計、結婚式場の設計、職場の設計、街の設計に入れていけば、使えば思わず幸せになるし、行けば思わず幸せになる、という設計論が可能だと思ったことがきっかけです。

目の前のことだけではなく、その先の人を見ているという感じです。物だけ、サービスだけ、ではなくすべての設計、すべての仕事をする人が、エンドユーザーの「幸せ」まで考えながら仕事すると、みんなウキウキできますね。

パラレルキャリアについて、どのようにお考えですか?

人は、多様な人と知り合うと幸せになる、という研究結果があります。また、夢や目標が複数あることが幸せになる、という研究結果もあります。要するに、多様な生き方をした方が「レジリエンス」が高まるということです。レジリエンスとは、困難に向き合って心が折れそうになったときに、折れることなくしなやかに戻る力を指します。

パラレルキャリアの方を見ていると、新たな人間関係ができることにより、その活力が本業にも活きて幸せ度も含め、いろいろなものが高まると思います。

withコロナの時代に大切になってくるものは?

コロナは、急激に未知なことがたくさんやってきて、先が読めない社会の縮図です。幸せな人は、・・・

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