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INTERVIEWS

一流ビジネスマンから働く女性にエールを!

大切なことはゴールではなくプロセスの中にある

─ November 2019

荻田 泰永
北極冒険家

カナダ北極圏やグリーンランド、北極海を中心に主に単独徒歩による冒険行を実施。2000年より2019年までの20年間に16回の北極行を経験し、北極圏各地をおよそ10,000km以上移動。世界有数の北極冒険キャリアを持ち、国内外のメディアからも注目される日本唯一の「北極冒険家」。
2016年、カナダ最北の村グリスフィヨルド〜グリーンランド最北のシオラパルクをつなぐ1000kmの単独徒歩行(世界初踏破)/2018年1月5日(現地時間)、南極点無補給単独徒歩到達に成功(日本人初)/2018年2月 2017「植村直己冒険賞」受賞/TBSクレイジージャーニー、NHKニュースウォッチ9、WOWOWノンフィクションWなどで特集番組多数。ラジオ、雑誌、新聞など各メディアでも多く紹介される。国内では夏休みに小学生たちと160kmを踏破する100milesAdventureを2012年より主宰。著書:「北極男」「考える脚」


冒険家として有名な荻田さんですが、きっかけはなんですか?

実は、冒険家になろうと思ってやっているわけではないんです(笑)。やっているうちに、そうなっちゃっただけ。気がついたら冒険家なっていたので、途中でやめるわけにもいかなくて(笑)。

北極に行き始めたのは、2000年からですが、冒険家になろうと思って始めたわけではありません。大学を辞めて、やることなくてフラフラしていた時に、テレビで冒険家の大場満郎さんが若者を連れて北極に行く企画があるというのを見て、それに参加したのが最初になります。当時は、エネルギーが余っていたので参加しましたが、将来冒険家になろうと思ったわけではありませんでした。それが今も続いちゃってる、と言うだけですね。

これまで一番大変だったことはどんなことですか?

北極を歩いてる間はずっと一人で歩くので誰も助けてくれなくて大変なんですけど、でもそれは、別に大した問題じゃないんです(笑)。表面的な見え方と深層の部分には乖離があるんですよね。冒険や探検というと、映画のインディジョーンズみたいに、次から次にトラブルが起きて、毎日アクシデントの連続で、みたいに思われがちですが、現実は極めて何も起こらないんです。というか、何も起こさないというか。問題が起こる可能性はいっぱいありますが、それを顕在化させない、ということです。例えば、もし地雷が埋まっていても、その地雷を踏まない限り害はないじゃないですか。その地雷を踏まないために、自分がスキルを上げて、知識をつけて、経験値をあげて、装備して、そして何も起こらないようにするんです。

困難というと、外的要因に目が奪われがちなんですが、そうではありません。危険を踏むのは自分であって、危険があることが問題ではないんです。地雷を踏むことで初めて危機というものになるだけであって外的な要因を困難と言っているうちは、所詮それだけの状態ということです。危険はあって当たり前なんです。ただ、それを現実にしないことが重要です。

一番の危機は自分自身にあります。ちょっとした油断、ちょっとした怠慢、やらなければいけない手間を省いてしまう、とか。人間なので時々あるじゃないですか。でも、それが増えていくほど、リスクが発現しやすくなっていくんですよね。自分で地雷を踏みに行ってしまうんです。そうならないために、面倒臭くても、疲れていても、体力や集中力が切れる前に、7、8割のところでやめて、残りの2、3割は、やるべきことができるような余裕を残しておくマネジメントが大切です。リスクがなければ、そもそも冒険にはなり得ないし、埋まってる地雷を全部排除しちゃったら、冒険にはなり得ないんです。冒険とは危険を冒す、リスクをとる、ということなので、リスクがあることは前提としています。

冒険などの極限の状態でどのように意思決定していますか?

最終的には、自分が死なないことが大事なので、死なないためにどうするか、です。その手前が、ゴールするにはどうするか、があります。そういうのが1個ずつあって、今の行動が決まるわけです。最終的には死なないためにどうするかですね。この行動をとった時に、これに繋がって、と想像して逆算的に考えて決めます。

20年間で北極に16回も行く原動力はなんですか?

何かを成し遂げたいからではありません。イヤイヤでもありませんが、致しかたなくやってます(笑)。本当は辛いし、楽したいけど、でも、そこに行かなければ知れないモノを知ってしまったんです(笑)。達成感は、どうでもいいし、一つも求めていません。達成感は結果の話で、結果は大事ですが、重要視していません。結果より過程の方が面白いし重要です。今の時代は、どこでも飛行機で行けるので、北極点だろうが、南極点だろうが、飛行機に乗っていけばいいだけの話なんです。そこに行くことが目的ではなく、行こうとしていることが目的なんです。つまり、過程ということです。プロセスの先に目的があるのではなく、プロセスの中に目的があるんです。プロセスの先は、ただの目標でチェックポイントです。難しい目標に対してどう取り組んでいくか、というその姿勢に目的があります。

日々色んなことを考えて頭を動かしていたいし、自分のエネルギーが明確に、ある一方向に向いている、という状態にしていたいです。それは・・・

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