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─ March 2021

パラキャリウーマンの飯田安紗美さんが在籍するトレンダーズ株式会社 HR Div.エクゼクティブマネージャーの 吉澤 雅代 さんに、社内のパラレルキャリアについて詳しくお話を伺いました。

創業時から自由な環境

トレンダーズ株式会社は、2000年4月に創業しました。これまでにも、複数の仕事を持っている社員が在籍していたので、複業(パラレルキャリア)については自由度高い環境でした。現在もフラットな形が続いています。弊社で複業を始めたい、と考えている社員は、まず上司や人事に相談するということから始まります。

私は、中途入社しているのですが、当時は新卒・中途採用をメーンに、総務・労務・広報サポートなどを経て、現在はHR部門で全体を見るエグゼクティブマネジャーと会長秘書の業務を兼務しています。様々な職種を経験することができたので、社内パラレルキャリアのような感じです。

複業を応援する事業

創業間もない頃は、まだ複業(パラレルキャリア)が浸透していない時代でしたが、弊社では起業したい女性やフリーランスを応援するセミナー事業を行っていました。起業の仕方や財務、PR方法などの講義が主な内容です。また、当時から女性社員の割合も多く、仕事やプライベートでマルチに活躍される方が多かったように思います。企業全体として、複業を受け入れやすい状況が確立されていました。

パラキャリ社員のリスクを減らす制度

数年前から、複業を行う際の申請する制度を改めて整備しました。もちろん、個人の活動を細かく管理したいというものではありません。社員自身のリスクを減らすことが目的です。例えば、基本的な企業情報や複業先での活動スケジュールなどを把握することで、社員自身のリスク回避につながると考えています。現在パラレルキャリアを実践している社員は、全体の2割程度ですが、今後も増えていくと予想しています。

複業解禁と相談環境

現在、社内の複業推進において、特に大きな問題は発生していません。会社規模の拡大や、人員増に伴い、最低限のルールは設けていますし、申請制度もありますが、個人の活動に介入して制限することもありません。むしろ全面的に複業を応援しています。

安心してパラレルキャリアができる環境は整っているので、もし何か問題が生じた時でも、いつでも相談できる仕組みが整っています。また、会社側も気軽に相談して欲しいと考えています。

複業に対する考え方

社員が複業を通して知見を広げたり、知識を深めたりすることは、非常に良いことだと考えています。実際に、趣味の一部のように楽しみながらパラレルキャリアの活動をしている方や、自身のスキルアップのために活動をしている方が多いです。本業とのバランスを取りながら、自分のペースで取り組まれている方がほとんどです。

趣味や好きなことの延長線上で、とことん突きつめているケースで、中にはその分野のスペシャリストとして活躍している社員もいます。専門家としてメディアに登場されていたり、好きなことを追求することでスキルが身につき、様々な機会につながっています。

社員を信頼して任せる

コンプライアンスを守るなど最低限の複業規則はありますが、社員個人との信頼関係に基づいた形をとっています。特別なルールや細かな書類での縛りがなくても、社員の皆さんを尊重し、本人の倫理観に任せていても問題はありません。複業での活動ボリュームが増えたら、話し合いを行いお互いに最も良いバランスを見つけるようにしています。それぞれの変化に応じて、これからも柔軟に対応していきたいと考えています。

自由でフラットな環境

弊社は、New Work Style という全社員がリモートワーク可能な環境を整え、キャリアについても自由度が高い企業だと思います。短期的な目標のほか、中長期のキャリアやライフプランについてお互いに情報共有を行う未来デザインシートというキャリア形成の制度や、社長と直接自身のキャリアについて個別面談できる機会も設けています。社員が好きなことや得意なことを伸ばせるように、活躍し続ける環境をつくれるよう心がけています。そのためにも、お互い相談しやすいようなフラットな環境づくりに力を入れています。弊社に在籍したままパラレルキャリアを選択される方が多いのはそうした影響もあると思います。

性別、年齢、役職の垣根がない環境

弊社には社長室がなく、役員も同じフロア内で仕事をしています。性別はもちろん、役職や年齢・年次などの垣根を超えて、発言しやすい環境になっています。そんな中では、複業に関する相談もしやすく、パラレルキャリアだからこそ得た経験をシェアすることで、組織全体の活性化にもつながります。現在、社員の約7割は女性で、平均年齢は30歳です。

複業解禁を考えている企業にエール

今回のコロナウイルス発生によって、世界的に大きな変化が起こりました。日本国内でも、企業の在り方や個人の働き方はこれまでと同じではなく、変化した社会に対応していくことになるでしょう。これからは企業の垣根がなくなり、企業間を人が流動的に動いて、プロジェクト単位で人や物が集まり業務を行っていくことが増えると考えられます。社内だけで人を囲い込むのではなく、外部へ自由に行き来することで、携わるプロジェクトや、所属する企業自体が活性化していくので、より良い社会にもつながっていきます。

最近は働き方が多様化し、一つの企業で一つのことをやり遂げる、という時代から、個人が自由な働き方で仕事をする、という時代になりつつあります。企業側も優秀な方の採用を計画するのであれば、複業解禁に舵を切った方が魅力的な企業として映るようになりました。

複業解禁のリスクが先にきてしまってなかなか踏み出せない場合は、申請制度など、必要に応じて一定のルールを設けることが、解決の糸口になるかもしれません。社員の状況を理解するために、いつでも話し合える環境をつくっておくことも大切です。まずは簡単なことから少しずつ動くことだと思います。

吉澤 雅代(よしざわ まさよ)
トレンダーズ株式会社 HR Div. エクゼクティブマネージャー

パラレルキャリア専門エール通信