日本とは異なる、アメリカの大学進学事情

大阪出身ハワイ在住32年のスピアかずこです。ハワイで2人の娘の出産と子育てを経験し、娘達は現在大学生と大学院生になりました。ハワイやアメリカの子育て事情をお話ししています。

テストの点数は関係ない⁈

アメリカの大学受験は日本と大きく異なります。最大の違いは、大学に出向いて受ける「試験」がないことです。SATやACTといった全米共通の学力試験を高校在学中に何度も受けることができ、さらにその中で一番よかった点数を申請できる、スーパースコアと言うシステムを採用している大学も多いです。一発勝負ではない時点で、かなりプレッシャーが下がりますよね。

さらに最近の動きとしては、このテストスコアの提出さえ廃止する大学が続出しているのです。テストの点数が高い学生=大学で伸びて社会で才能を発揮する学生ではないことが第一の理由。第二の理由は、点数主義を続ける限り、経済的に恵まれた家庭の子どもが優位に立ち、社会的な格差が教育の平等性を奪うからです。

そりゃそうですよね。家庭教師をつけたり、学費が高額な私立のプレップスクールに通える子どもの得点が伸びるのは当然とも言えるでしょう。

その代わり、高校で履修した科目の難易度(アメリカは選択科目が充実していて、大学レベルの授業を受けることができる)や成績評価(GPA)に詳しく目を通すのです。

ダイバーシティ(多様性)

次なる違いは、コモンアプリケーションと呼ばれる共通願書を大多数の学校が採用しており、作り込んだ一つの願書を全ての希望校にオンラインで提出することです。この願書作成が実はアメリカの高校生泣かせで、特技や実績を書くだけではなく、小論文や家庭の財務報告までしなくてはならない(世帯収入が奨学金に反映されるため)という、それは大変な作業だからです。大学側はこの願書をじっくり読み込むことで、受験生の人物像を把握して、人種やバックグラウンドのバランスを取り、ダイバーシティ(多様性)を保っているのです。

アメリカの大学が好む人材とは?

多様性を重視するアメリカの大学が高い評価を下すのは、ずばりひと言でいうと「キャラ立ち」している学生です。特技や才能を活かした活動で活躍していると、高評価につながります。さらにはスポーツ、芸術、ボランティアなどを満遍なく経験することで磨かれた「人間性」が重要視されます。学問は入学後に鍛えることができますが、人間性は幼少期から長い年月をかけて培われるものだからです。

こうした傾向は、名門大学でより顕著に現れ、いかに社会の第一線で活躍できる人材の育成に力を入れているかを知ることができます。こうした大学入試の制度は、アメリカの小〜高校の教育にも大きな影響を及ぼしています。

投稿者プロフィール

スピアかずこ
スピアかずこフリーランスライター&コラムニスト
フリーランスライター&コラムニスト

ハワイ在住32年。島の普通の公立校から塾なしでアイビーリーグへ進学した娘の子育てを通し、米国の教育事情やグローバル子育てを発信中!
パラレルキャリア専門エール通信

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