5分でわかる『LIFE SHIFT』～人生100年時代、不安をワクワクに変えるには

キャリア部門　ライターの山下いずみです。
早速ですがこの週末、知人から一大決意と相談を受けました。

大学卒業してから30年、SEとしてやってきたが定年まであと8年。お世話になった先輩たちが定年間際、一気に老け込んでいく姿を見るといよいよ他人事ではなくなってきた。自分は正直、あんなふうになりたくないから九十九里浜に家を買って、定年後も充実させたいと思うのだけど…なんか不安なんだよね。

大手電機メーカーのITエンジニアとして
30年以上勤務するTさん（50代前半男性）

釣りやサーフィンが好きで週末は都内から車で千葉に行きサーフィンを楽しんでいる、とは聞いていたのですが、とうとう家を買うとは！そして「なんか不安」とのこと。

その不安、一緒に向き合ってみましょう！私が持参したのは、買ったはいいが読破できていない『LIFE SHIFT』、2016年に出版され「人生100年時代」というキーワードを提唱した本です。
※リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット共著『ライフ・シフト 人生100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社、2016年10月)

「人生100年時代」、なんか不安の理由

日本には定年制があり「働くのは定年まで」という認識がありました。人生100年時代、と聞いて「定年後もまだ働き続けなくてはいけないの？」とネガティブにとらえてしまうのは当然ですよね。そしてもう一つ、70歳80歳になってもワクワク楽しそうに働いているのは一部の人。身近にロールモデルがいないため「希望が持てない、不安しかない」これが実情ではないでしょうか。

人生は「3ステージ」から「マルチ・ステージ」へ

◆従来の「3ステージ」
①学生：0歳～20歳前後
②仕事（会社勤め）：20歳前後〜60歳前後
③老後：死ぬまで

長寿化が進み人生100年時代が到来すると
③「老後」のステージが長くなる？
②「仕事」が40年から60年に延びる？
いや、それは苦しいでしょ。

ということで著者リンダ・グラットンが示したのが

◆「マルチ・ステージ」
という新たなモデル。20歳前後で社会に出てからは会社勤め、フリーランス、学び直し、副業、起業、ボランティア…など、“さまざまなステージを並行・移行しながら生涯現役であり続ける”という考え方

そう考えると…
Tさんは今から九十九里浜に拠点を移して会社勤めしつつ“並行・移行して”次のステージを探すタイミングが来たんじゃないですか？ 時代の走り、ライフ・シフト実践してるじゃないですか(^^) と言うとTさんは「いや、走りではないだろ」と言いつつちょっと安心した様子。こんな話、会社ではしない（できない）ですもんね。

そこで『LIFE SHIFT』で紹介されたもう一つのキーワード、お金に換算できない、今から整えた方がよい「無形資産」をご紹介しました。100年時代を生きる上では有形資産に加えこの3つも重要になるそうですよ。

3つの無形資産

①所得を得るための「生産性資産」
仕事に役立つ知識、スキル

②心身の健康を維持する「活力資産」
健康や、良好な家族・友人関係

③変化に柔軟に向き合う「変身資産」
変化に応じて自分を変えていく力

こう話すと、Tさんは②「活力資産」が気になった様子。「100年時代って聞くとつい金の心配してたけど、健康や人間関係が資産って確かにな…」と深く頷いていました。

もう一つ、私が気になったのは③「変身資産」です。
～人は思春期に柔軟性を持つもの、100年時代には思春期の特徴を残したまま、若々しく生きる人が増える可能性がある～

「生涯思春期」こう聞いて、皆さんどう思われましたか？私はなんだか嬉しくなってきました。これから新たにやってくる時代、新たなステージを乗り越えていくには、頭も心も柔軟性が必須。しかし一人では、そして会社勤めしていると特に“柔軟性”を持ったまま生きるのは難しいように思うのです。

ますます皆さんと関わりながら、思春期みたいにワクワクしながら、いろんな生き方働き方を知って楽しんでいけたら嬉しいです。

皆さんが「100年時代」に感じていること、知りたいこと、ご感想などありましたらぜひ聞かせてくださいね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日もステキな一日になりますように。