今月から〈語学習得法〉についてのコラムを担当します。滝井のぞみです。よろしくお願いします。
突然ですが、みなさんは、言語がもつメロディやリズム🎶 に注目したことはありますか?
実はコレ、通じる外国語を習得するために、とても大切なことだったりします。
外国語を習得するコツの1つである言語のメロディやリズム、というのがどういうことなのか、わかりやすいように日本語と英語を例に挙げて説明します。
日本語は、仮名1文字が1拍という、リズムの言語です。これは、ひらがな1文字1文字が音楽でリズムをとるときに使うメトロノームの、あの「カチカチカチ」という規則的なリズムと対応しているというイメージです。あるいは、素敵な講演や演奏を聞いた後に、素晴らしい!と拍手するときの「パチパチパチ」という一定のリズムを思い浮かべてもよいかしれません。
仮名1文字1拍というのは、たとえば
「また後でね」
という文の場合、
またあとでね(ひらがな6文字)
〇〇〇〇〇〇(6拍)
※〇=1拍(拍手1回)
のように、ひらがな1文字が1拍という扱いになるということです。日本語ネイティブスピーカーである私たちが日本語を話す場合は、話すスピードが速いので、それに追いつくように手拍子をするのは難しいかもしれませんが、私たちの中に、この
〈仮名1文字=1拍〉
というリズムが、まるでソウルミュージックのように刻みこまれています。小さい「っ」も1拍、読点「、」も1拍、伸ばし棒(長音記号)「ー」も1拍です。
では、英語の場合はどうでしょうか。
結論を先に言うと、英語はメロディの言語です。日本語とは異なり、アルファベット何文字で1拍という話し方ではありません。先程と同じ「また後でね」という例を使って、具体的に見てみます。
また後でね = See you later は、
日本語風に言ってしまうと
シーユーレイター
〇〇〇〇〇〇〇〇
ですが、実際はそうではなく、
See you later!
〇 〇
と、たったの2拍になります。
※〇=1拍(拍手1回)
もっとわかりやすくするために、「みんな、また後でね」と「みんな=you all」と「all」を付け加えてみます。それでも、
See you all later!
〇 〇
の2拍のまま。
主語をつけて、きちっとした文にしたとしても
I’ll see you later!
〇 〇
となり、拍数は変わりません。
つまり、日本語(私たちのソウルミュージック)とは異なり、文字数が増えることと拍数が増えることは、イコールではない言語なのです。私たちに刻み込まれている日本語の”ソウルミュージック”と、英語の”ソウルミュージック”は、全く違うんだということを意識するのが大切です。
日本語が一定のリズムを刻む指揮者だとすると、英語は歌手です。リズムに合わせて歌うのが、英語です。あるいは、”歌は歌”でも、日本語は俳句や短歌、英語はジャズやロックと考えてみてもいいかもしれません。
そして、言語によって”歌”のジャンルは異なるということ。今回は日本語と英語を例にとりましたが、英語とフランス語であっても”歌”のジャンルは全く違ってきます。英語に限らず、外国語を勉強する際には、その言葉が持つメロディやリズムに注目してみると、伝わる語学力を身につける近道になるかもしれません。
言葉のリズムやメロディをテーマにしたので、文字だけよりも音声の説明があった方がわかりやすいかもしれないなと思い、コラムの音声データを作ってみました😊
投稿者プロフィール
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ドイツ語公認通訳翻訳士/執筆家
◆ドイツ在住計17年のドイツ語公認通訳翻訳士
◆ドイツ留学についての著書『授業料ゼロ円留学』を出版
◆ドイツ・オランダ2拠点生活
◆インドア派の旅行好き
◆古いものやアンティークが大好き
(https://lit.link/nozomidoitsu)
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