バイリンガル教育の落とし穴

―キャリア部門 海外子育てースピアかずこです。
ハワイで2人の娘の出産と子育てを経験し、娘達は現在大学生と大学院生になりました。ハワイやアメリカの子育て事情をお話ししています。

パラレルキャリア

母たちの憧れバイリンキッズ

バイリンガル。その言葉に母たちは夢を抱きます。わが子が日英両語(または他言語)を駆使して世界的に活躍する姿。それは母たちに限らず、日本人全員が憧れる日本人像なのかもしれません。逆に言えば、それほど島国育ちの日本人にとって“外国語コンプレックス”が大きいともいえるのでしょう。

私自身も国際結婚で子どもを授かった時、夫が英語、私が日本語を教えれば、子どもは自然にバイリンガルになるだろうと思っていました。最初が肝心とばかりに、家では日本語を話し、日本から絵本を取り寄せ、アンパンマンとドラえもんを見ない日はなかった(笑)。夏には帰国して、日本の幼稚園にも体験入学させました。けれども大きな誤算が待っていたのです!

当時はホノルル郊外に住んでいたので、ご近所のお友達は全員英語。プリスクールにも日本人の子供なんて誰もいません。どんなに母親が頑張っても、英語力だけがどんどん伸びていきました。毎晩日本語の絵本を読んでいても「Say it in English」と言われる始末。毎週土曜日は日本語補習校の幼稚部に通っていたけれど、日本語も日本的なお作法もイヤで、娘は小学部への進学を断固拒否してしまったのです。

悩んだ末にたどり着いたのは、地元小学校の放課後に、週2回開催されていた日本語クラスでした。幸い転居先のホノルル市内の小学校には、ハーフのお子さんも多く、わが家と似たような子ども5人に、日本の教科書で授業を進めるクラスを編成してもらえたのです。そこからは「細く長く」日本語を続ける作戦に変更。結局、小学校6年間で4年生までの教科書を、なんとか終えることができたのです。

アカデミックな語学力

日英バイリンガルといっても、そのレベルは千差万別です。ビジネスや学術分野で完璧に日英両語を使いこなせるバイリンガルは、本当にごくわずか。たいていは日英どちらか一方が強くなり、日常会話や読み書きが両語である程度できるという人達が多いようです。最悪な場合は、どちらの言語も中途半端にしか習得できず、アカデミックな読み書きが不自由になってしまうこともあるのです。

言葉より大切なことって?

バイリンガルにさせたいといって、漫画やアニメ漬けを奨励する親もいますが、肝心な思考力が育たなければ本末転倒です。 AIが翻訳や通訳を代行してくれる社会になった今、語学を習得することが最終目的ではなく、まずは話す中身を持っている人間になることが先決です。日本が国際競争力をつけるためには、英語力は絶対に必要ですが、英語は目的を達成するためのあくまで「手段」であることを、忘れてはなりません。アジア各国はその点日本のずっと先を進んでいるようです。

投稿者プロフィール

スピアかずこ
スピアかずこフリーランスライター&コラムニスト
フリーランスライター&コラムニスト

ハワイ在住32年。島の普通の公立校から塾なしでアイビーリーグへ進学した娘の子育てを通し、米国の教育事情やグローバル子育てを発信中!
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