ビジネス部門 リーダーシップ ライター 女性リーダー育成コンサルタントの古賀ちぐさです。
リーダーシップを高めるというと、どうしても「論理的思考」や「タスクマネジメント」などのスキルを思い浮かべる方も多いかもしれません。
先月のコラムで書いた「聴く力」もスキルの一つですね。リーダーシップ研修の多くがスキルに偏っているのも事実です。でもグローバルでは、いわゆる「スキル」以上に大切なのが「セルフアウェアネス」なのです。
セルフアウェアネスとは何か?
「セルフ=自分自身」「アウェアネス=気づき」で『自分自身に対する気付き』です。自分自身をよく知ると言うことですね。スタンフォード大学ビジネススクールの評議会メンバー(75名)のほぼ全員が、「今後のリーダーが開発すべき能力」としてセルフアウェアネスと答えています。
また、20世紀最高の経営者と言われる、元GEのジャック・ウェルチに「あなたが成功した秘訣は何ですか?」という質問したところ、答えは「セルフアウェアネス」だったそうです。ジャック・ウェルチが引退したのが2001年。今は2021年、実に20年の歳月が流れていますが、リーダーシップを高めるために必要な最も重要な要素は変わっていないのです。
この間、インターネットが当たり前になり、AIも普及し、社会情勢はどんどん変わっていっているのに不思議な感じがします。どんなに時代が変わっても、本質は変わらないと言うことなのかもしれません。『自分自身に対する気付き』というと、もしかしたら「自分のことぐらいわかっているよ!」と思うかもしれません。
だけど本当にそうでしょうか?実は自己認識がしっかりとできている人というのは、10〜15%程度しかいないとも言われています。多くの場合、自分のことを高く評価しすぎたり、逆に低く評価しすぎたりしているのです。
「セルフアウェアネス」を高めるには?
ではどうすれば「セルフアウェアネス」を高めることができるのでしょうか?自分自身のことを知ることなんだから、内省をすればいいんだよね!と思うかもしれません。もちろん、自分自身に気づくために内省することは、とても大切なことです。自分が何を大切にしているのか、自分が今、どんな状態なのか、自分にじっくりと向き合わないと分からないですよね。
でも内省だけでは足りないのです。家族や友人、会社の同僚などから「あなたって、こういうところがあるよね」「あなたって、こういう人だよね」と言われて、「えっ?そうだったの?」と思ったこと、ありませんか?
私は、そういった経験がたくさんあります。自分では前に出るのが苦手と思っていたけれど、周囲からは、「どうしてもっと前に出ないの?」と思われていたり、逆に自分ではすごく気を使って接しているつもりだったのに、「最初は冷たい人だと思っていた」と言われたり・・・・私自身が思っている「私」と他者から見た時の「私」のギャップですね。
セルフアウェアネスを高めるためには、「他者から見た時の私」の認識も高める必要があります。いくら自分だけで内省をしても「他者から見た私」を知ることはできません。だからセルフアウェアネスを高めるためには、内省をするのと同時に、他者からフィードバックを受けることも非常に大切なのです。
自分自身が否定されるように感じてしまい、他者からのフィードバックを敬遠してしまうかもしれませんが、「フィードバックを受ける=否定される」ではありません。ぜひ、自分自身を内省すると同時に、積極的に他者からのフィードバックも受けて、セルフアウェアネスを高めてくださいね。
セルフアウェアネスを高めるための個人セッションも実施しています。身近に率直なフィードバックを受けられる相手がいない…という方は、ぜひご相談ください。
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