お金部門(相続)ライターの有賀郁子です。
よく亡くなったら、その人の口座は即時に使えなくなり、その後の葬儀費用など高額な支払いに困るなどといわれています。それは実際のところ、どうなのでしょう?
それでは、銀行はどうやってその人が亡くなったことが分かるのでしょうか?
私の経験ですが、15年前父が亡くなったとき葬儀社の担当の方から「役所に死亡届を出したら、即時に役所の担当者が各銀行へFaxで知らせ口座が凍結されます。死亡届を出す前に必要な費用はカードで引き出しておいてください」とそっと言われました。そのころの私は、そうやって銀行は亡くなったことを知るのだと理解し、その後もそれを信じていました。まだファイナンシャルプランナーになる前の話です。
その数年後、現在の仕事を始め、どんどんとお金に関する情報と知識を身につけていきました。ある日、地元のハウスメーカー様から、資産形成と相続のセミナーを依頼されました。当日会場には、家を建てる方への住宅ローンの相談窓口として、銀行員さんも来ていました。セミナー後、その銀行員さんと情報交換をする中でふと思い出し、銀行はいつの時点で、その方が亡くなったことを知るのか?そして知ったら即時に凍結するのか?と聞いてみました。
すると答えは、大体は新聞のおくやみ欄を担当者が見て知る。とのことでした。だから、銀行へ遺族が来て亡くなったことを知らされるまで、知らないことの方が多い。また、口座はすぐに止めるが、ご家族と分かる証明を持った方が来たら、当面の必要な費用は亡くなった方の口座から引き出せる。とのことでした。
これを聞いたときは「えー!そうなのですか⁈」と驚きました。ただし、葬儀費用といわれる200万円くらいが上限だろうとのことでした。
そしてその数年後、母が亡くなりました。母の口座のある銀行など各金融機関へ相続の件で行ったのは、葬儀が終わってから1週間後でした。確かにその時まで母の口座は使えました。「亡くなったらすぐに凍結される」というのは状況によるということが分かりました。
現在は、数年前の民法の大改正により、法定相続人であれば、他の法定相続人の許可を得なくても故人の口座からある程度お金を引き出せるようになりました。しかし上限はひとつの銀行につき150万円までとされています。
投稿者プロフィール
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37歳の時、父の病をきっかけに、地元長野県に帰る。父の介護と他界、そこで遺されたお金を母の生活費のために運用しようとするが、リーマンショックもあり失敗。同時に失業で収入を失い、住宅ローンを抱えるという3重苦。
お金のことを知らなかった、だから失ってしまった。そして当時は誰にも聞けなかった経験から、私があの時会いたかったアドバイザーになることを決意し、9年目になります。
1967年4月生まれ。長野県諏訪市在住
セミナーやウェビナーを通して、今の時代の資産形成を「貯蓄セミナー」として伝え、資産を守り賢く引き継ぐために相続を円滑円満にするための相続セミナーも好評です。
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