『未来の働き方を考えよう』著者:ちきりんを読んで

読書ライターの西谷です。

今回ご紹介する本は、ちきりんさんの『未来の働き方を考えよう』です。 


ずいぶん前に読んだ本ですが、その頃とは世の中の状況が一変し、働き方についても否応なく見直しが迫られるようになった状況にありますが、著者のちきりんさんはこの本の中で “これからの社会を生き抜くために、私たちに必要なものは何か” そのことについて教えてくれています。


それらは今だからこそ余計に大切に思える事ばかりなので、いくつかシェアさせていただきたいと思います。 


まず、人生100年時代と言われるこの時代、老後に大切になってくるのは資産だけでなく、生きる力のある人だと書いてあります。 


生きる力のある人とは、「組織を離れても稼げる力や、年齢を重ねても新しいものに挑戦できる好奇心や前向きな姿勢、見知らぬ人とも良好な関係を築ける人付き合いの能力を持っている人」で、それらが人生の豊かさを決めていく。 


そのためにはどうしたらいいか?? 


そこで、ちきりんさんは、「一生の間にふたつの異なる働き方を選べるのだと考えよう!」 と提案してくれています。


 “安定している会社に就職すれば将来安心”“将来を考えて手に職をつけなきゃ” そんなことを思ってしまいがちですが、もっと柔軟に、そもそも職業を一つに絞らなくてもいいじゃないか。


もちろん一つに絞ることがいけないわけではなく、心も体も柔軟に構え、そしてやりたいことがあるのなら異なる働き方を実行してみる。まさに複業もそれですよね。人生は一度きりですから・・・。 


そもそも、“何度も職を変えるのはいけないこと” “人生設計を変えるなら若いうちじゃないと難しい” というのは思い込みに過ぎなくて、少し調べれば、長らく専業主婦をしていてパソコンも使えなかった女性が一念発起して「稼ぐ力」を獲得している人がいるということが分かると書かれています。 


さらに面白かったのが、ちきりんさんの提案するプチ引退という考え方です。 65歳になったら隠居生活へ!と決めるのではなく、次のような働き方をすることが人生100年時代を心身ともに健康で過ごすことができる一つの方法となるのです。 


パターン1  半年だけ働く 「シーズン引退」
パターン2  週に2,3日だけ働く 「ハーフ引退」
パターン3  好きな仕事だけを引きうける 「わがまま引退」
パターン4 (共働きの場合)ひとり1年ずつ引退する「交代引退」 


詳細は割愛しますが、このプチ引退についてちきりんさんはこう書いています。 


「大事なことは、どんどん延びる定年まで無思考に今の働き方を続けるのではなく、まだこれからという40代のタイミングで、自分の意思をもって次の働き方を設計することです。後半の職業人生は、余生でも引退後の生活でもありません」 


長年企業の中で働いていると無思考に陥って、指示待ち人間になってしまうことも。 無思考になるのではなく、自分で考えること。それがより一層大切になってくるのだと思うと、怖くもあり、なんだかワクワクもしてくるのでした。 


最後に、本の中で私が特に心に残った文章をご紹介して終わりたいと思います。 


「人生の傍観者になるな。自分の人生の舞台を、観客席からぼーっと見ていてはいけない。舞台に上がれ、演じるのだ」 


「自分が望ましいと思える生活スタイルをまず想定し、それが可能になる働き方はないのか?という順番で考えられる、それが人生で二回目の働き方の選択です」 

パラレルキャリア専門エール通信

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