英国の貴族文化から生まれた、お茶を飲む際のマナー

グローバルマナーライター砂田ちなつです

「紅茶やコーヒーを飲むときに、お皿も一緒に持つのはマナー違反ですか?」

このようなご質問をいただく事があります。

皆さまの中にも同じような疑問を持たれている方が、いらっしゃるかもしれません。

今日は、この疑問が解決するマナーをご紹介いたします。

さて、先ほどのご質問の答え皆さまはどちらだと思いますか?

【答えは:紅茶の場合には、お皿を持っても良い、です。】

では、コーヒーのお皿はダメなのでしょうか?
正式には、コーヒーのお皿は持たずにいただきます。

その理由を知るには、日本茶とコーヒー、紅茶の違いを知る必要があります。

●1つ目の違い
洋食のテーブルマナーでは、洋食器で「持ち手」が付いている食器のみ持ち上げていいルールになっています。

持ち手の付いていない食器は、持ち上げません。
したがって、紅茶やコーヒーのお皿には持ち手が付いていないので、持ってはいけない事になります。

●2つ目の違い
飲み物の抽出温度によって、持ち手が付いているか判断ができます。
同じ飲み物でも日本茶(ここでは煎茶でご説明)は、湯飲みで飲みますが、湯飲みには持ち手が付いていません。

なぜならば、日本茶の抽出温度はコーヒーや紅茶に比べて、低い温度で抽出されるからです。
煎茶では、70℃が抽出温度に適していると言われています。

また、湯飲みには厚みもあるために、器が手で直接持てるくらいの温度になりますので持ち手がありません。

逆にコーヒーと紅茶は、日本茶に比べて抽出温度が高くなります。沸騰したお湯を使うため、コーヒーで90~95℃、紅茶では90~100℃が最適な温度とされています。

器の厚みも湯飲みに比べ薄いので、直接手で持つことは厳しい温度です。

この様なことから、洋食器は持ち手が付いている食器は持ち上げるマナーが生まれました。
この違いを知っているだけでも、これからの食事の際のテーブルマナーは迷わなくなります。

では、なぜ同じ洋食器を使うコーヒーと紅茶なのに紅茶だけはお皿を持っても良いのかには、以下の理由があります。

●貴族文化と、紅茶の関係を知ると納得!

紅茶は、英国貴族の文化を象徴する飲み物です。

18〜19世紀に英国貴族の間では、屋外でピクニックをするのが流行していました。
当然、紅茶は欠かせません。

外の不安定な場所で紅茶をいただくことになるので、紅茶をこぼしやすくなります。
そこで、このような不安定な場所でいただくときには、“お皿を持って飲んでも良い”とマナーが変更されました。

その名残で今も紅茶をいただく際には、お皿を持ってもいい事になっています。

コーヒーは、この貴族文化の後に入ってきた飲み物です。
基本的にはテーブルに座っていただくため、”お皿は持たない→ルール変更する理由がない”とされました。

ただし、例外があります。
ホテルのティーサロンなどでは、低いテーブルでお茶やケーキ―をいただきます。そのような際には、飲み物とケーキのお皿はひざの上に乗せます。

テーブルの上に置いたままですと、姿勢が悪くなりますし、前にかがむ回数が多くなると、ご一緒されている方に不快感を与えてしまう可能性があるためです。

その場に合った所作ができるようになると、周りからの評価もグンと上がりますね。

※特典動画は、
『自分をワンランクアップさせる、ティーカップの持ち方』を
ご用意いたしました。

ぜひ、ご参考になさってください

 

投稿者プロフィール

砂田ちなつ
砂田ちなつAtelier Juillet 代表
◆女性をファッション、マナー、メイク、立ち居振る舞い、プロフ写真撮影からマインド設定まで“砂田ちなつ流 オールインワンブランディング”でサポートし、『なりたい』自分にブラッシュアップできるサロンオーナー
◆趣味は旅行で、18か国 52都市を今までに訪問
◆フランス、イタリアなどの大使公邸でのパーティーやお茶会へも毎年参加
◆戦略的SNSブランディンディングの専門家
 集客を不要にする継続サポート納品中
◆エールプロジェクトbyパラレルキャリア推進委員会
 ライター「グローバルマナー部門」担当
(https://www.a-juillet.com/)
パラレルキャリア専門エール通信

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