テレワークとパラレルキャリアの可能性[FILE02]

霞ケ関でオフィス改革、働き方改革、人材育成を進めるテレワークの第一人者で、現総務省行政評価局総務課長(局総括課長)の箕浦さんに、日本の働き方を変えるテレワークについて、詳しくお話を伺ってきました。


 今回は、テレワークについて総務省が行なっている主な活動をご紹介し、テレワークとパラレルキャリアの関係についても少しだけお話しします。

 総務省には2つの立場があります。1つは、組織としての総務省と政策を推進する立場としての総務省です。

 総務省は、テレワークを、企業も含むオールジャパンで、もっともっと広めていく、という立場で全政府的なテレワーク推進の旗振り役を担っています。

 年に2回、大きなイベントがありまして、その1つが7月から始まったテレワークデイズです。これは東京オリンピック・パラリンピックの開催時期には首都圏が相当混雑することが予想されますので、この時期、なるべく会社に通勤しないで、自宅やコワーキングスペースなどで仕事をするようにしよう、という取り組みで、2017年から毎年7月に行なっています。

 いよいよ1年後に五輪も近づいてきているという事で、今年は、7月22日(2019年)から9月6日(2019年)まで長い期間を取って、民間企業や自治体も含めて、幅広くテレワークの実施を呼びかけました。

 毎年11月にも官民連携のもと「テレワーク月間」として取り組んでいます。総務省は、関係省庁(内閣官房、経産省や国土交通省、厚生労働省など)で協力しながら、テレワーク活用型社会の実現に取り組んでいます。具体的には、これらの期間のイベントを通じて、民間企業の優れた先進事例のご紹介も頂きながら、まだテレワーク導入をためらっていらっしゃる企業や自治体などに普及を進めていきます。

 もう1つは、総務省自体が、例えばICTの技術開発や、利活用推進を政策の柱にしていたり、地方自治制度を所管していたり、また、国の行政の業務改善や生産性向上を組織のなりわいとしている関係上、自らも組織として働き方を変えていくということに、かなり積極的にチャレンジをしています。

 省としての取り組みとしても職員のリモートワークやテレワークを積極的に進めるとともに、オフィス改革の取り組みやRPAやAIの活用を始め、現在、若手のチームも作りながら積極的に取り組もうとしています。このような取り組みは、中央省庁の内部だけでなく、民間企業や自治体からも注目をいただき、多くの視察を受け入れたり、全国各地で講演を行うことを通じて、日本のビジネススタイル変革や働き方改革のリーダー的組織としての役割を担うようになりつつあります。

 パラレルキャリアということで言うと、私自身は、現在は業務上の担当としてはリモートワークやテレワークの普及・推進や働き方改革を担当しているわけではないのですが、自分のライフワークの一つとして、担当業務以外のもう一つの自分のプロジェクトとして、このようなビジネススタイル変革やワークスタイルの変革の全国の企業・自治体への普及・展開にも取り組んでいます。講演などで全国を飛び回ることも多いのですが、今は、デバイスとネットワーク環境さえあれば、どこにいても職場の上司・同僚・部下とメールやチャットで連絡を取り合いながら仕事ができる。

 そういう意味で、リモートワークやテレワークは、パラレルキャリアを実現する上で必要不可欠の取り組みと言えると思います。

(次回に続く)