ダイヤモンドメディア 株式会社

ダイヤモンドメディア株式会社関戸翔太さんに、パラレルキャリア応援について詳しくお話をお伺いしてきました。


 当社は、創業当初から副業OKだったので、「副業解禁」というわけではありませんでした。

 そのため、副業が原因となった問題が特別に起こったことはありませんが、あえていうなら、副業をする人が本業とのバランスに苦労していそうだな、と思ったことは多々あります。

 基本的に全て自己責任のもとで成り立っているので、そうしたときに僕たちがケアできることはほとんどないんですよ。

 結局最終的には「本人の責任感」と「やりたいこと」に依存していってしまいます。社風として、個人の考えを最大限に尊重する、というスタイルでやってきているがゆえに本人の成長に任せるしかなくなるという状況はこれまでにも何度かありましたね。

 これは副業だけでなく、リモートワークなどでも同様だと思います。

 副業に関する取り組みも特に何も行なっていません。仕組みについても、仕組みらしい仕組みはなく、ただ「制限しない」ことが決まっているだけです。

 また、ルールや禁止事項も特にありません。「仕事、頑張ってね!」というくらいでしょうか(笑)。

 副業を解禁することで、企業側が得られるメリットはたくさんあります。副業を実践している人は、優秀な人だと思いますし、その優秀な人の邪魔をしたくない、また、そういう人の集まる場にしたいと考えます。会社の外にも成長の機会はあるし、副業によって成長の機会損失を防ぐことができます。

 企業側のデメリットとしては、バランスを崩した時に、本業のバランスも崩れていくこと、帰属意識が下がる可能性があること、です。

 個人としては、副業をすることで自己実現が達成しやすいし、自分で人生の幅を選択できます。会社に依存する部分を減らせるから、自立しやすいと思います。個人の場合は、デメリットとして気が散ったり、自分を見つめすぎてしまい、目の前のことに集中できず考えすぎてしまい、それが、かえって成長の妨げになったりするかもしれません。

 当社は創業時から、個人のパフォーマンスの最大化が、会社の売上利益の最大化につながる、という仮説のもと、副業を認めています。
 今、副業解禁を考えているけど、なかなかふみ出せない企業さんもあると思います。副業を認めるかどうかは、それぞれ企業の文化だと思いますし、副業解禁を必ずした方がいいとは思っていません。

 企業によって、やりたくない理由や取り組みたくない理由はあると思うので、その部分は大切にしてもいいのではないかと思います。まだ準備ができていないなら、無理はしないほうがいいかもしれません。

 もし副業をOKにするなら、副業に関する報告の義務をなくすのがおすすめです。何をやってるか、どれくらいやってるかを知らないくらいがちょうどいい。例えば、副業可、と採用ページに書くだけ、とか。

 最悪なのは、個人の副業を本業の企業の人が管理したくなってしまうこと。「本業に身が入っていないんじゃないか」とか、「君はこういう副業をするといいよ」とか、首を突っ込みたがる人が出てくるのは絶対に阻止した方がいいですね。

 当社における「副業についての考え方」の中で、個人的に気に入っているところは、社員同士がお互いに他の社員の副業に、余計な関心を持ちすぎていないこと、だと思ってるんです。どんな副業をしているのか、聞かれれば副業している人は答えますが、それを聞く人もそんなにいない、というところがいい効果を生んでいると思います。

ダイヤモンドメディア株式会社
関戸 翔太