1. Home
  2. パラレルキャリアウーマン[ 加古萌 ]
SPECIALS
輝く女性 PICK UP! 私の働き方改革
パラレルキャリアで柔軟に!好きなことには全て挑戦

─ March 2019

株式会社ディー・エヌ・エーで、パラレルキャリアを実践している加古萌さんに、パラレルキャリアの経験から得られたことや変化など、詳しくお話を伺いました。

好きなサービスに直接かかわってみたい

DeNAに入社して9年目になります。パラレルキャリアでは、ユアネイルというオーダーメイドネイルサービスのプロダクトマネージャーをしています。ユアネイルは、アプリ上で、ネイルのデザインがオリジナルで作れて、それをネイルシールにできるというサービスです。10分程でつけられて、仕上がりもすごく綺麗なので、実際につけているネイルシールを見た人からは「これ、シールなんですか?」と驚かれることが多いです。もともとシールの形は決まっていますが、自分の爪サイズを登録できるので、自分にあったネイルシールを好きなデザインで注文することができます。意外と長持ちするんですよ(笑)。デザインは、アプリ上で自分で作ってもいいですし、他のユーザーさんがデザインしたのでも好きなものがあれば、注文することができます。

このサービスを提供している株式会社uni’que(ユニック)は、知り合いが立ち上げた会社なんですけど、全員副業じゃないと働けないという面白いポリシーを持った会社なんです。副業の中で価値を出していこうというビジョンや創業者の想いに共感していて、何かしらの形で関われたらいいなと思っていました。

その後、ちょうど育児休業に入り、少し時間を持て余していたこともあって、今後の自分のキャリアを考える上でも、空いた時間を使って、そこで自分の好きなサービスに関わってみたいな、というところから「今、ちょっと時間あるんですけど」って感じで声をかけてオファーしました。

会社の副業解禁後、育休明けで復帰したと同時に副業申請を出して、パラレルキャリアで本格的に関わり出しました。副業をするということ自体をイメージできていなかったので、会社のチャットツールに入らせてもらって、お試しで関わってみるというところから始めました。お試しで関わっていく中で、実際にこのプロジェクトチームで私が価値を提供できるのかとか、そもそも副業として時間をどういう風に使っていくのか、とか、私にとっても、いい体験になるのか、とか、お互いに見極めた上で、本格参加という形のステップを踏みました。

本業と子育てをしながらやってみようと思った

ユアネイルというサービス自体がもともと好きだったんですね。子供を産む前はネイルサロンとかも通ってたんですけど、やっぱり子供を産むとそういうところにも通えなくなってしまいました。

でもユアネイルによって、育児期間中でも私がネイルが楽しむことができたんです。そういう体験を提供できるサービスっていいな、と思っていて、そこに自分が関わりたいという気持ちがありました。

マンションが火事に!副業とのバランスも崩れて

本業の方ではヘルスケア領域に関わっているんですけど、そこではできなかった経験が副業ではできています。自分自身が一つの会社だけで働いていた時は、その会社で見える範囲の視野しか持てなかったのですが、副業を始めたことで、本業、副業、2人の子供のママ業、という自分の限られた時間の中でどういう風に自分自身の価値を出していくか、を考えるきっかけになったのは、私のキャリアにとって、よかったのかな、と思います。ただ、前に一度、本業、副業、ママ業のバランスが崩れて、副業に対するマインドシェアが落ちてしまったことがありました。

副業の方は、オフィスに集まって何かをするという形ではなく、基本リモートでサービスを作っている会社なんです。オフィスがあると強制的に来るので、業務のことを考える時間もあり、マインドシェアも高まるんですけど、副業でリモートとなってくると、なかなか自分でそこのモチベーションを上げるのが難しいなと思いました。具体的には、昨年自宅が罹災して住む家がなくなり、生活のほとんどをママ業が占めるようになったタイミングがあったんです。それで一回、副業に対するマインドシェアが、ストンと落ちちゃったんですよね。一定に落ち着いたタイミングは来たんですけど、そこからグイっと上げていくというのが難しくて、バランスをいかに自分の生活の中で柔軟に変えていくのか、など、そのバランスの取り方が難しいなと感じました。

乗り越えたのは、基本リモートではあるんですが、ミーティングで会うこともあって、参加するにつれて、だんだんモチベーションが上がることはあったんですけど、一番大きいのは、創業者と改めて今後どうして行くのか、という話し合いの場が持てたことで、やっぱりこのサービスに関わっていきたい、というモチベーションが再び上がってきた感じですね。もし、目的がお金ということで副業していたら、そのままフェードアウトしていた可能性も大きかったです。私がこのサービスに関わって育てていきたいなっていう思いがあったので、戻ってくることができました。

多面的に関わることで相乗効果が出せています

ITサービスという面では同じ業界ですが、全く別のターゲットだったり、サービスとしての時間軸が違うので、それぞれで得られた知見や考え方、発見などを双方に還元することができていると感じています。また、本業で積み上げたスキルで、本業ほど時間を取れない副業にも価値を出していくという点で、相乗効果があったと思います。

単純に好きなサービスに関わっている社会人として、企業に所属している面はあるものの、ひとつのものにしか関わっていないと、自分のしたいことと100%マッチしていなかった時に、ガクンとモチベーションが下がったりすることもあると思うんですけど、多面的にいろんなものに関わっているということで、精神的なバランスが家庭も含めて取れるようになったと思います。

会社では、副業制度を利用し、副業の活動をオープンに公開しています。会社の制度が整って、応援してもらえると、やりやすいです。副業での成果や、ユーザーさんに提供できているものを自分から発信できるし、SNSで言いたいことを正しく言えることも、大きな違いだと感じています。

パラレルキャリアの継続は目的をはっきりさせること

今から副業を始めてみたいという方には、次の2つを検討した上でトライすることをおすすめします。①副業の目的の明確化。②副業先との期待値のすり合わせ。この2つがはっきりしていれば、自分と副業先、両者にとって価値のあるものになると思います。逆に、どちらかが擦り合わない状態だと、時間がない状況で立ち返ってみて、あれ?これって、なんでしてるんだっけ?と副業自体が辛いものになってしまう可能性もあります。

家では夫と自分たちの時間をどういう風に使っていこうね、という話は都度していて、例えば、子供のお迎えは、私が週に3回、夫が週2回と決めて行っています。それぞれのやりたいことを実現するために、どういう夫婦の体制で育児というプロジェクトを回せばいいのか、という話をしています。透明性がお互いにあるので、協力体制も得やすいし、チャットツールで常にコミュニケーションをとっています。

また、物理的にとれる時間というのはすごく限られているので、頭で考える時間を取るように意識しています。本業は本業のことだけですが、育児で寝かしつけている時間とか、空いた時間に、副業のことを考えています。作業の時間はそこまで取れないですが、思考を割く時間は意識して取るようにしていて、空いた時間で、頭の中のものを形にしておくという感じです。

決め打ちではなく自分を柔軟に変化させたい

今後は、家庭や仕事の状況を見ながら柔軟に変化させていきたいです。今は育児だけ、とか、今は本業だけ、ではなくて、今は育児に割くべきであったら、育児の割合を増やしてこっちを減らすとか、自分のキャリアを柔軟に選択できるようになりたいです。将来的には、本業、副業に関わらず、一生残っていくようなサービスや、モノを作っていきたいなと思っています。

パラレルキャリアを挑戦してみたい人へのエール

パラキャリにあっている人、あっていない人はいると思います。それは実際にやってみないとわからないので、やれるかな?ではなく、やりたいことがあったら、ぜひ一歩踏み出してみてください。まずは、目的を決める。そして、思い切って飛び込んでみる。そうすることで自分自身のキャリアや、働き方についても、新しい発見があるのではないかと思います。

加古 萌(かこ もえ)
株式会社ディー・エヌ・エー ヘルスケア事業本部サービス事業部 DeSCヘルスケアサービス企画開発部部長/株式会社uni’que プロダクトマネージャー

パラレルキャリア専門エール通信