1. Home
  2. パラレルキャリアのすすめ-経済産業省[FILE01]
SERIES

─ May 2019

政府が掲げる「働き方改革」の中で、パラレルキャリア、副業、兼業の普及も図っていますが、これまでパラレルキャリア推進員会が活動を通して感じているのは、新しい働き方を取り入れている企業がまだまだ少ないということです。実際のところ、国や行政はどのような取り組みを行っているのか、経済産業制作局産業人材制作室室長補佐の堀田さんと川浦さんに詳しくお話しを伺ってきました。

パラレルキャリア、副業・兼業を解禁している企業はまだ少なく、8割の企業は禁止しているという状況と認識しております。企業側が何を懸念しているのかというと、最も多いのは、長時間労働により本業に支障が出るのではないか、という点になっています。その他、法的な部分で、労務管理が大変、時間管理をどうすればいいかわからないという点や、人材流出につながるのではないか、情報漏洩のリスクがあるのでは、などの点に懸念があるようです。

本当にそうなのか、と統計や実際の声を聞いてみると、疑問なところもありまして、過剰に心配しすぎているのではないか、と考えております。
4月16日に行われた産業構造審議会で使われた資料の一部(下図)ですが、例えば「本業に支障が生じるのではないか」という点は、統計をみると、むしろ本業への意識が高まる、とか、本業でのモチベーションが上がる、集中力が上がる、というアンケート結果が出ています。少なくとも低下したという回答は、ほとんど見られません。実際には、プラスの影響が出ることもあるのではないか、ということです。

労務管理の点は、法的な課題が様々あり労働時間の管理の問題などは、厚労省の方で検討が進んでいる段階です。我が国の企業文化としてあげられるのが、職務の切り出しが、なかなかできていないことです。既に他社で働いている人を受け入れた時に、職務無限定に受け入れると、長時間労働を招き、マネージングのコストが増大します。
例えば、必要な職務を切り出して、プロジェクト型にするなど、副業で受け入れるという方法をとることで、マネージメントコストも軽減され労務管理の負担を減らすことができると思います。

(次回につづく)

パラレルキャリア専門エール通信