好きなこと&役に立つことでパラレルキャリアが充実

中学から続けているスポーツを活かして

 さくらインターネット株式会社で、カスタマーサポートの部署にいます。ホスティングサービスや、手続き系サポートの管理をしています。今は、業務改善のウェイトが大きくて、お客様へのご案内メールのテンプレート作りや修正、WEBの内容修正などを、お客様からいただいた意見をもとに、案を出しながら行っています。

 パラレルキャリアでは、卓球の審判員をやっています。国際審判員資格も取得し、海外の大会でも審判ができるようになりました。

開幕戦に参加してテレビに出たことも

 弊社には、連続有給休暇制度があるので、それをたくさん使わせてもらっています。私の地元の大阪では、最近大会が多くなってきたので、月に4〜5回は活動をしていると思います。パラレルキャリアの活動は、主に休日が中心ですが、有給をいただいて活動することもあります。

 卓球でも、サッカーのJリーグのように「Tリーグ」というプロリーグがあって、今年度の開幕戦が大阪だったので、午後から半休をいただいて、開幕戦の審判をしてきました。テレビ放映もしているので、知り合いからも「テレビに出てたね」と言われました(笑)。

平日に休める会社の理解に感謝

 卓球の審判員には、私のように本業が会社員という人がほとんどいません。毎年1月の全日本選手権では、全国から選ばれた審判員が沢山集まるんですが、定年退職された方や教職員の方が多く、現役の会社員は数人しかいないと思います。

 会社員だと、なかなか休みが取りづらい、というところに起因すると思います。そういった意味でも、私はすごいありがたい環境に置かせてもらっていると思っています。

 今、私が目指しているのは、国際審判員のさらにもう一つ上のオリンピックや世界大会で審判をすることですが、もし休日だけしか利用できなかったら、こんな大きな目標を持つことなんて思いもしなかったと思います。やはり平日に長い休みをいただいて、海外へ行くことが増えてしまいます。正直会社に応援してもらわなければパラレルキャリアは無理だったと思います。

パラレルキャリアを始めたきっかけ

 パラレルキャリアで卓球の審判員を始めようと思ったのは、二つ理由があります。

 一つは、ずっと卓球をやっていたので、自分が何か卓球に恩返しすることができないか?と思ったことです。

 もう一つは、二〇一四年に東京で開催された世界選手権にボランティアで会場のお手伝いをした時、そこで審判員やっていらっしゃる先輩方と知り合って「一緒にやろうよ」と声をかけていただいたことです。

 それから本当にやってみようと思って大阪に帰ってきて早速資格を取りました。

決算時期と重なって準備が進まず・・・

 今年のGWに、審判員としてオーストラリアへ行く準備をした時が一番大変でした。

 海外での審判活動が初めてだったので、審判員の先輩からも色々教わってはいたんですけど、時期的に会社が、期の変わり目ということもあり、本業が忙しくて準備のために有給がとれませんでした。事前にミーティング資料なども送ってもらいましたが、全部英語で苦労しました。

 本業には絶対に支障がでないように準備を頑張ったので睡眠時間が大幅になくなりましたが、楽しいことなので全然苦ではなかったです。

苦手だったことがいつの間にか得意に

 私は性格的に、はっきり決断することが苦手なタイプなんですが、審判員には、グレーがないし、その一瞬で判断しないといけません。最初は不安でしたが、そういう環境で審判員として努めていくことで、会社の仕事でも白か黒か決めないといけない時に「こうだからこう!」とハッキリ言えるシーンが増えました。

 また、卓球の審判員をしていて特に身についたことは、大会の限られた短い時間の中で、素早く情報をまとめて審判長に報告するというスピードが求められることがあるので、仕事でも余計な話をしながら報告することがなくなり、スピード感が出てきました。

パラレルキャリアが上手くいく秘訣

 パラレルキャリアは、どっちも好きであり、役にも立っていることが上手くいく秘訣だと思います。

 本業では、案内した内容をお客様がすぐ理解して、やりたいことができた、とか、問い合わせてよかった、と満足していただくことが嬉しいです。

 卓球の審判員では、選手が公平、かつ、一番パフォーマンスを発揮しやすい環境を作るという役割を担っているところに、自分が関われるというのが嬉しいです。

切り替えができることが最大のメリット

 パラレルキャリアのメリットは、気持ちの切り替えができることです。パラレルキャリアと本業が、似たような業種だとこんな意見ではないと思うのですが、私の場合は、全然違うので完全に気持ちの切り替えができて、どちらもフレッシュな気持ちで向き合えます。マンネリ化しないということですね。

 もし、会社が副業解禁していなかったとしても、土日にボランティア活動としてやっていたと思いますが、審判員としてのキャリアは考えられなかったと思います。こんなに目標を持って取り組むことはなかったです。目標をもって取り組めていることで、英語も覚えたしこれからも、本業に対しても役に立つスキルが身に付けられるのかなと思います。

パラレルキャリアを始めたい人へのエール

 やっぱり仕事をしながら二つのことをするのは、しんどいこともあると思います。

 実際にパラレルキャリアをやっていて、体力的にきついことはありますが、やっていることで本業へのモチベーションだったり、自分がスキルアップしていることを感じる機会が増えるので、いろんなことが楽しくなってきます。是非、一歩踏み出して欲しいと思います。

NPO法人大阪卓球協会

さくらインターネット株式会社
カスタマーリレーション部
カスタマーケアオフィスリーダー
亀井 優子

(取材・写真:今西 由季)