自分の人生は自分で決めて 考える、迷う、より「失敗」を楽しむ

株式会社キャリア・マム代表取締役
堤 香苗

大学在学中よりフリーアナウンサーとしてTV・ラジオのDJ、パーソナリティとして活躍。結婚や出産に関わらず、仕事と家庭のどちらも大切に自分らしく働きたい女性たちの活躍の場を提供することを志し、株式会社キャリア・マムを設立。女性の再就労支援実績が認められ、受賞歴多数。内閣府規制改革推進会議行政手続部会専門委員、中小企業庁中小企業政策審議会委員、経産省2020未来開拓部会スマートワークに関するワークショップ構成員、など官公庁の委員実績多数。ダイバーシティ、女性のキャリア支援、テレワーク推進等のテーマで講演、執筆など、幅広く活動中。


― 堤社長の主な事業内容を教えていただけますか?

 創業23年目に入るのですが、1つ目は、希望の時間と場所で得意なスキルを使って、チームで仕事ができるシステムを整えています。フルタイムで働くことが難しい方でもクラウド上にチームを作って仕事ができるようになっています。

 ただ、いきなり仕事になるかというと、難しいところもあります。働く時間も仕事量も全て自分でコントロールしなきゃいけないし、自分の能力を客観的に判断して将来を見据えて働き方を選んでいくことになります。一流企業に勤めていた方でも、今日からすぐやることは難しいんですよね。

 2つ目の事業として官公庁より受託して運営する事業があります。主に女性の再就業支援や、テレワークの推進等が事業内容で、厚労省をはじめ、各地の自治体の方々と取り組んでいます。2018年より新規事業として、保育室併設コワーキング施設を多摩ニュータウンで開業しました。

― テレワーク支援もされてるということですが具体的には?

 日本テレワーク協会で理事をしています。現在、多くの会社が東京に集中していて、遠方の人はチャンスに恵まれないこともあり、もったいないですよね。テレワークの普及によってこの問題は解決できると考えています。

 テレワークだと誰も見ていないからサボるのでは?という声もありますが、全く関係ありません。私はフリーアナウンサーをしていたので結果が全てという業界にいました。評価基準を決めるのは自分ではなくお客様、という原則に基づいて考えれば、監視の有無に関係なく、働かなければ、ろくなモノ(結果)ができないだけの話なので。

― 起業を決意したきっかけは?

 出産して、初めて近所の公園に出かけた時、郊外のお母さんたちが、あまりカッコよくないな、と思った出来事があったんです。

 私は公園のお母さん集団とは離れたベンチにいたんですが、集団の中に、障害を持ったお子さんを連れたお母さんがいたんです。そのお母さんは一生懸命「この子は病気でね」って言っていたんですが、なかなか仲間に入れてもらえなくて、数日後、とうとう来なくなったんです。当時の私は、その様子を見て積極的に仲裁はしなかったんですよね。

 それから半年経ったある日、その親子にバッタリ出会ったんです。夜八時頃でしたが、母子2人だけで公園のブランコで遊んでいました。「こんばんは、久しぶりだね」なんて声をかけると、そのお母さんが、何ヶ所も周辺の公園に行ったけど、他の子たちに囃されるだけで、受け入れてもらえなかった、と打ち明けてくれました。だから明るい時間はずっと家にいて、誰もいないこの時間(夜八時)に遊んでるのって・・・。

 その子は一人ぼっちだったんです。お母さんも一人で抱えるしかなかった。私もあの公園にいたのに、傍観者だったんです。あの公園の母親達と同じじゃんか・・・と。

 誰かを傷つけたり、自殺に追い込んでしまう人の元凶は、その母親たちかもしれない。お母さん達が異なる価値観も真摯に受け入れる世の中にしたいと思いました。

 行動を起こしたのは、子宮ガン検診で結果を待つ2週間に「死」を考えた時でした。当時、子供も小さかったし、私自身も死んだら後悔ばかりだったので、もし結果がシロだったら、絶対自分がやりたいことを全部やろう!心を痛めたり一人ぼっちの人達が笑顔になれるようなことをやろう!と決めました。

 まず最初に、イベントを行いました。障害のある子もない子も、みんなでその違いを知るというものです。そこで、私が感じてきた偏見や女性の生き方やキャリアについて発言したら、それが新聞に載って、1500人も共感してくれた人達がいたんです。まだインターネットがない時代なのに。

 何かしたいけど、どうしていいかわからずにいた時、ある広告代理店の部長から、ママの生声をレポートにして欲しいとお願いされたんです。試験的でしたが、14枚のレポートにして持って行くと熱意を買ってくれて、それが事業として継続していくことになりました。

― 人脈はどう作りましたか?

 人って他人のためには動かないんですよ。創業しようと思ってから人脈を作っても遅いと思います。

 私の場合は、ボランティアで地域のケーブルテレビのレポーターや、目の不自由な方の朗読など、何か自分にできることがあれば、金額の多寡にかかわらず提供することを惜しみなくやっていました。その結果、いろんな人や企業様と接点を持つことができました。

 自分に与えてもらったものより少しでも上回るものを相手に返すこと。ちょっとでいいので、相手が喜ぶことをやっていくと、勝手に人脈ができていくと思います。そしてうまくいかないことがあっても、他人のせいにしない。全部自責に考えることですね。

― 大変だったことは?それをどう乗り越えましたか?

 起業して3年目の頃、・・・

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