お金に賢く美しく03

マネーリテラシー講座(Vol.3)

 自分の人生を自分で選び、輝く女性にとってマネーリテラシーは必須です。マネーリテラシーを磨き、主導的に人生を楽しみましょう。

 さて、今回から順を追って「金融業界」のお話をします。前回、「宣伝や広告に騙されないで!」というお話をしましたが、そのためには銀行や保険会社、証券会社等、金融業界の仕組みを知ると冷静に判断できるようになります。では、仕組みを知るために基本的な言葉の整理から始めましょう。

 Q 「金融」とは何でしょう?

 A 「お金の余っている人が、お金の不足している人に、利息を支払うことを条件にお金を融通すること」

 つまり、お金を融通することを略して「金融」といいます。

 私たちの身近にある「金融」ですぐに思い浮かぶのは銀行でしょうか。まさに、お金を余っている人から「預金」としてお金を預かり、そしてお金を必要としている人や企業にお金を貸す(融通する)ことを本業としているのが銀行です。このように、銀行が間に入ってお金を融通することを「間接金融」と言います。

 また、最近人気のクラウドファンディングやICOというように、企業や人が一般の人から直接お金を集める手段もあります。それを「直接金融」といいます。直接金融の代表的なものは、企業が株式を発行してお金を集めるという行為です。

 株式を買うということは、会社のオーナーになるということです。お金を出して、オーナー権を買うのですから、当然企業の運営に対して意見を言うことができます。その結果、その企業の業績が良ければオーナー権(株式)の価値も上がるし、配当をもらうこともできます。ですが、逆に利益が出ない場合はオーナー権(株式)の価値も下がるし、ましてや配当をもらうことはできません。「お金を返せ」ということもできないのです。(オーナー権を売ってお金に変えることはできます。)

 企業の業績に関係なく「お金を返せ」と言えるものとして、社債があります。社債は、最初に元本を返してもらうまでの年数や利息を企業が約束して、一般人からお金を借りる仕組みです。他にも、直接金融にはクラウドファンディングのようなファンドでお金を集める方法や、自社のサービスを受けられるトークンを発行してお金を集めるICOという方法等、様々な手段があります。では、直接金融を仕事として扱う企業は、どういう企業でしょうか?

 これが証券会社です。正確には「金融商品取引業者」といいます。この「金融商品取引業者」という言葉は重要なのでぜひ覚えておいてくださいね。

 そして、もう一つ。「保険」です。保険とは、もしものときに備えてたくさんの人からお金を集めておき、その集まった資金で「もしも」が起きた人にお金を融通する行為です。生命保険も損害保険も考え方は同じです。

 さて、ここで考えてほしいのですが、銀行や金融商品取引業者、保険会社等には、たくさんの支店があり、たくさんの従業員がいます。当然、彼らにお給料を払わないといけません。金融の会社も利益を出さないといけないのです。その「利益」はどこから出ていると思いますか?

 紙面の関係上、今日はここまでしかお話できません。次回以降、順を追って「金融会社」の利益の出し方をお話します。次号までに、「金融会社の利益の出し方」という点に着目して、テレビCMを見たり、窓口で観察してみてください。今までと違ったモノが見えるかもしれませんよ。


株式会社リーガルデザイン
代表取締役 行政書士
吉崎 静

お気楽人生を送っていた25歳、大病を患い、3年間の闘病生活を送る。「働く」ことの喜びに開眼するとともに、人生設計におけるお金の重み、保険や年金制度等に興味を持つ。その後起業し、金融の仕組みを最大限利用してスピーディーに夢を実現する手段としてファンド組成や資金調達支援を行う会社を経営。同時に、金融リテラシーの大切さを伝えることをライフワークとしている。

株式会社リーガルデザイン
金融商品(投資信託・不動産証券・クラウドファンディング等)のスキーム構築や組成、コンサルティングを幅広く手掛ける。また、証券会社や年金運用会社等の顧問を数多く務め、コンプライアンスやガバナンス態勢構築を進めている。「ファンドは夢をつなぐ仕組み」をモットーに、起業家やベンチャー企業支援にも力を入れている。


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