お料理ライターの京田佳永子です。
3月3日はひな祭り。
今回は、京都のひな菓子「ひちぎり」をご紹介します。
ひちぎりは「引千切」と書き、ひきちぎり、ひっちぎりと呼ぶこともあります。
ひちぎりは、平安時代の宮中で行われた「戴餅(いただきもち)」になぞらえて京都の町人の間に広まったひな菓子です。
戴餅は、丸餅の中央に丸めた漉し餡を乗せたもの。
健康を祈る宮中行事に用いていたもので、稚児が頭上に戴いたことから そう呼ばれるようになった菓子。
紫式部日記に「坎日なりければ、若宮の御戴餅の事、停まりぬ」の一文がある、と紹介されているのを見つけました。
(多分「日が悪かったので、若宮様の戴餅の行事は中止した」という意味)
現代の「ひちぎり」は、よもぎを練りこんだ「餅」や「練り切り生地」の上に、餡を乗せ、さらに白や桃色のきんとんを飾ったものが多く、白と桃色と2つ並べて飾ると、男雛と女雛のようでなんともかわいらしいです・・・
(以下、オンラインサロン限定公開)